「ほっ」と。キャンペーン

<   2015年 06月 ( 22 )   > この月の画像一覧


2015年 06月 30日

蝦夷梅雨ー屋根(27)

緑が重たく濡れている。
空は灰色、森は暗緑色に沈み、地は暗い。
蝦夷梅雨だね・・・、と電話の声が囁いた。
何故、隣に居ないの?
続けて聞こえた声は、夢の中だっただろうか。

透析治療を終え路面電車に揺られ、1キロ程歩いて自宅へ
帰ると、午後10時は過ぎている。
4、5時間の腎臓代行の治療は単調で拘束性が強い。
左腕は二本の注射針に固定されているから、身の自由は
利かない。
ほぼ30分毎に右腕で血圧を測られるので、無念無想という
訳にもいかない。
最初は本でも読もうかと思ったが、片手では落ち着かない。
それからはただひたすら時の過ぎるのを待つ。
たまに交代で来る看護婦さんと短い無駄話をするくらいだ。
みんな大きなマスクをしているので、顔無しのようだが、
露出している額と目だけが見分ける特徴となる。
額がオデコでキョトンとした眼の看護婦さんが親しくなった。
きっかけは自分から、私おでこで患者さんにからかわれるの、
と言っていた事だ。
私は彼女を、デコヒカルちゃんと呼び、それからそれが通称
となった。
本人も笑いながら気に入ったようだった。
時に逆にして、ヒカール、デコとアールデコのように呼んだ。
4,50人も相手にくるくる動く看護士さんたちの仕事も大変
で、昼夜二回の勤務は手も頭も重労働と思う。
患者は寝たままだが、それはそれできつい体勢である。
腎臓さんが昼夜休まず年中こなしている仕事を、4、5時間で
透析しなければならない。
血液という生命の源を浄化し、ビタミンやカルシュウムを抽出
し他の五臓六腑へ送り出さねばならない腎臓の代行だからだ。
心腎相関で心臓と腎臓は有機的に繋がりが深いから、治療中
血圧は定期的に測られ管理されるのである。

病という困難に出会って初めて見えるものがある。
五臓六腑という命を守り維持する尊(ミコト)への感謝である。
十二神将というのは、この五臓六腑に何かを加えた数ではない
のか、と思っている。
12番目は脳ではないか、と思う。
これら見えない臓腑たちが、人間の生命を体内で司っている。
目に見える現象に目を奪われ右往左往する日常から一時臥して
、これら内なる臓腑たちと対話する時間が透析の時間でもある。
そう思い翳のシジフォスのように過ごすのだ。

*瀬川葉子展「FILE」-7月21日(火)ー8月2日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休。最終日pm4時まで。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503



[PR]

by kakiten | 2015-06-30 14:25 | Comments(0)
2015年 06月 28日

曇天・小雨降るー屋根(26)

今日も肌寒い。
やはり上着は厚め茶の冬服にした。
あとはいつもの帽子で、ズボンは黒のこれも冬穿いていたもの。
傘は持たず帽子が代用。
サビタだろうか、白い花が綺麗に咲いている。
木々の緑が濃く、緑の夏は深まっている。

先日一緒に藻岩山麓の湧き水を採りに行ったY君からメールで
ポプラの語源の教示があった。
キリストの磔に因む祈りの樹影の意味や人の集まる人民の意味
があるという。
茨戸の岡崎文吉に纏わるあの二本ポプラを思い出していた。
護岸の為に耕作地の境界に植えられたポプラの精神に相応しい
気がした。
同時期輸入され植えられた北大のポプラ並木は、人の集まる点で
正にその意味が当てはまる。
茨戸のひっそりと立つ二本のポプラは受難の磔の樹かもしれない。

ギャラリーの壁の蔦もまるでマリモのように深く濃くなった。
これが秋には数日間の紅葉で深紅となる。
8年前移転して来た時には蔦の蔓だけが、辛うじて細々と壁を這っ
ていただけだったが、人が常時出入りし湿度が増した所為かここ
3,4年で随分繁茂になった。
木造の古民家ならではの自然の復活である。
家も植物もまた人と共に生きている。
人の居なくなった3・11原発事故影響下の廃村の様子を朝TV
で見たが、この捨てられた家屋の自然復帰は痛々しく、荒々しい
無残なものだった。
人と共存しない野生の自然は、荒ぶる野生の復活で恐い自然である。
人と共存の自然は故里のようで、可愛い優しさに満ちている。
例え人の手で植えられた樹木・花であっても人に馴染み、共存してる
時は野性にはならず、戻る事も無い。
動物も同じなのだと思う。
ペットや飼育された牛・馬・鶏たちを見てもそう思う。
動物も植物たちも、同じように人とともに生きている。
山や森や野も、きっと同じである。
それらを総称して、人は故郷と呼んだのだ。

その故郷世界がどんどん崩壊して、先鋭な線引きが進行している。
空も森も山も、植物・動物も人も家の屋根も豊かな境界を喪い
直線化したショートカットの効率化と利便性の切り身パックに変貌
しつつある。
天に聳えるタワー構造、地に蔓延るプラザ(囲繞地)構造。
通りという蛇行構造は衰退し、囲い込みと吸い上げの消費ゾーンが、
自然という人類誕生から共存していた故郷を削除しつつある。
自然はきっとやがてあの3・11以降の捨てられた村・町のように
野生の姿を露わにして人そのものを拒否し荒ぶる姿を露にするに違い
ない。

女性達がよく発する”可愛い~”が、”怖~い”へ変わる日なのだ。

+瀬川葉子展ー7月20日ー31日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2015-06-28 13:37 | Comments(0)
2015年 06月 27日

去る人・来る人ー屋根(25)

一時東京へ引越し準備に帰っていた成清佑太君が戻って来る。
あとは新しく見つけた住居に荷物の到着を待つのみという。
移動から移住へと新たな生活が始まる。
映像作品も創らなくちゃ、と己に言い聞かせるように、内向き
の視線で小さく呟いていた。
彼の中で<移民>という新たな日常生活と文化の次元が始まる。

昨日東京へ人事異動のあったI氏が一升瓶持参で訪ねて来る。
去る前に一緒に飲みたかったが、会社の送別会その他で時間
が取れなかったという。
月に一度は帰ってきますから、と話す。
実はこちらに住んでいる人と結婚したんです、と言葉を続けた。
その人とは当面遠距離生活となるらしい。
ああ、この京都生まれのI氏は札幌と濃い縁が生まれたなあ、
と思った。
人事異動で転勤にはなるが、最愛の人の住むここはI氏の
本当の移住先となる筈だ。

去る人、来る人、それぞれだけど、心はひとつ札幌が好きなんだ
なあ、と思う。
東京にいるFさんが先日コメントで、ここは私の札幌の第二の実家
です、と書いてくれたが、札幌でもひょっとしてテンポラリースペ
ースが心の移住先なのかもしれないと照れ臭く思ったりした。
時々デスペレートな気分になる時もあるけれど、その度にこうして
励まされる自分がいる。

今日は昨日と変わり肌寒い日となる。
着替えた背広の上着も前の上着に戻したいくらいだ。
ポケットに納めたカード類や何やらを移すのが面倒でそのまま
着て出る。
羽織るバッグ・背広の上着は、装着完了という事だ。
これにネクタイを締めれば、額の鉢巻みたいなのものだ。
戦闘服の系譜が背広にはある。
だからポケットの容量・種類が実用性に富んでいる。
ペン入れ用やライター類の小袋ポケットの位置・配置。
その他の微妙な大きさそして位置が見事である。
日常身一つで過ごせる必需品は大体全て装着できるのだ。
物を入れないのがお洒落というが、それは本来邪道である。
用を無視して、ファッションも本来無い。
遊び着つまりはタウンスーツは、ポケットが少ない。
これはこれで良いが、私はなんとなく落ち着かない。
不安になる。
この辺がタウンボーイとシテイボーイの差異かとも思う。
ねえ酒井君、そうじゃありません?

失笑でしようね・・・。

*瀬川葉子展ー7月20日ー31日予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2015-06-27 12:10 | Comments(0)
2015年 06月 26日

背広考ー屋根(24)

今日は暑い。
さすがに背広の上着も薄いのに替えた。
昨日まで薄ら寒い日が続いた。
花や樹は小雨に濡れて深い色を保ち綺麗だった。
しかし人には寒暖斑のリラ冷えの気温で、夏風邪に
罹りやすい気温だ。

今日は透析日。
夕刻から4~5時間治療する。
ベッドに敷くタオルケットと枕用のタオルをリュック
に入れてくる。
すっかりこのリュックはそれ用になってしまった。

昔仕入れの旅で窯元を尋ね歩いていた時、名古屋や
京都方面で真夏の時があった。
瀬戸や多治見に常滑そして高岡に金沢そして京都と
窯元・作家を巡った。
途中暑くて喫茶店に入ると、がんがん冷房が効いて
汗が一変に引く。
そして外へ出ると、またむっとする暑さ。
これに懲りてもう背広はずっと着たまま脱がない事に
した。
身体への温度差が押さえられて、その方が自然だった。
暑いは暑いまま、外気が冷房で急に下がっても背広の
内側は変わらぬ温度である。
それを見てある人が我慢強いなあ~と感心していたが、
そんな事はない、と答えた記憶がある。
名刺やら財布やら訪問先の資料等身に着けているもの
をすっと出し入れ出来るし、外の温度に左右されない
ガードとして上着は重宝だった。
脱ぐ時は徹底的に宿屋とか仕事抜けた時に脱げば良い。
そうして旅を続けた。

その頃の癖が今も続いているのだろうか。
今も上着をあまり外すことがない。
ごちゃごちゃ鞄を持つより気楽だからである。
街では会議用の資料とかあったので、アタッシュケース
を持つ事が多かった。
黒の頑丈なアタッシュで、今でも5,6個はボロボロに
なったものが2階の事務所の片隅に転がっている。
もうアッシュケースに背広ネクタイ姿はないけれど、
背広の上着だけはバック代わりに今も着ているようだ。
そうか、変わったのは小さなリュックサックが加わった
事だなあ。

*瀬川葉子展ー7月20日ー31日予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2015-06-26 12:52 | Comments(0)
2015年 06月 25日

ミニ料理考ー屋根(23)

腎臓を患ってから、自分で料理を作る事が多くなった。
とはいえ、ほんの初歩的なレシピ片手の小調理である。
ニラやニンニク、調味料の使い方を少し学ぶと味の領域が
だいぶ豊かになる。
モヤシやらチンゲン菜やら、キノコ類との組み合わせに
調合した調味料の味付け。
山芋やジャガイモ、葉モノも切りかたひとつで触感が変る。
卵も今まで目玉焼きか卵焼きしか知らなかったが、これも
焼き方で触感が変る。
片栗粉を混ぜふわふわ触感のとろとろ卵の上に、炒めたニラ
とエノキを乗せ調味した片栗粉のあんをかける。
カロリーと塩分とを考えレシピと首っ引きで工夫する。
時に素材の無い時はある素材で代用する。
豆腐ステーキの場合、豆腐が無かったので山芋ステーキに
変えて作った。
食材も大事だが、一番大切なのは段取りである。
これが後手に回ると全てが狂ってくる。
食材の順番でも間違うと炒め過ぎたり、調味料の分量を間違
えたりと、タイミングがずれて哀れな味と姿にもなる。
これまでは出来上がった物だけを食して、美味い、不味いと
言っていたが、自分である程度するとそんな不味いものも、
失敗の原因が見えて勉強になるから、不味いの意味が違って
くるのだ。
そして、ほったらかしてあった食器類にも目がいく様になった。
作った料理を何に盛るかも重要な役割を保っている。
大好きな紅茶もカップの種類・形態によって味が違う事に気付く。
口の開いた方が口中一杯に香りと紅茶の味が広がる。
少し口の狭い少々高さのあるカップは、喉の方に直接熱い紅茶が
注がれ、朝のフランスパンと一緒の食事には合う。
ただゆったり紅茶だけを味わうなら口の広いカップが良いようだ。
私の場合は朝食にパンと一緒に飲むので、後者が良い。
大体よく見ると珈琲カップは後者で紅茶カップは前者である。
病の所為で水分に敏感なので朝は喉が渇いている。
だから喉に直接くる熱い紅茶が無上の快感となる。
口中でゆったり味わう余裕はない。
固いフランスパンが紅茶で柔らかくなって喉元を過ぎる。
パンに挟んだ調理したものも同時に噛み締め、飲み込む。
朝も束の間の悦楽である。
今の病はカロリーを多く取り、かつ取り過ぎないという療法なので、
調理の工夫でむらなく何でも食べなければならない。
そして塩分・水分とウエイトに気をつけ、ボクサーのように
筋肉は育てなければならない。
慣れぬ料理に手をつけたのもそれらの経緯からだ。
まだまだ未熟だが、やり出せば奥深い調理の世界である。
理屈は抜きにして、美味いものを作るに越したことはない。
そして食材と調味料を通して、食の自然を学ぶのだから。

*瀬川葉子展ー7月20日ー31日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2015-06-25 12:39 | Comments(0)
2015年 06月 21日

下北沢でー屋根(22)

近々東京下北沢で詩人の文月悠光さんと歌人の山田航さんが
対談するという。
文月さんは札幌で高校在学中第一詩集で中原中也賞を最年少
で受賞し注目された。
山田さんは20代で第一歌集を出し、角川短歌賞他を多数
受賞し話題となった。
今文月さんは早稲田大学を卒業して東京で活躍している。
山田さんは札幌を拠点にモノローグ紀行を3年間新聞連載し
たりと様々な執筆活動を展開し、今は学士入学したH・G大学
修士論文と第二歌集の準備に集中している。
ともに札幌に深く根を下ろす才能あるふたりである。

私との関わりは、文月さんの高校の美術教師でもある画家の
S氏の個展の折り尋ねて来たのが切っ掛けだった。
それ以来同じ詩人の大先輩吉増剛造展や第一詩集の装丁画を
描いた森本めぐみさんの個展もあっても縁が深くなった。
後に頂いた年賀状に、ここは札幌の第二の実家と書かれてい
たのが嬉しかった。
山田さんとの関わりは、彼が受賞後新聞に書いたエッセイの
批評をこのブログに記した事が切っ掛けで、彼がここを尋ねて
来た事からだった。
それ以来週に2度3度と繁茂に訪れ、ここに集う美術家や詩人
写真家・音楽家たちと親しくなり、彼の第一歌集をテーマとす
る展覧会を催すまでになった。
ふたりは同時に吉増剛造展の展覧会評を全国誌に書いてくれる
など、この場所の存在を広く知らしめてくれた。

そのふたりが初めて対談するという。
第二詩集のタイトルに「屋根よりも深々と」と付けた文月さんには、
このタイトル命名に北の空気感を感じる。
雪の深い道を歩いている空気感である。
今の札幌は多くが屋根の見えないマンションやタワー系のビル群の
都会になっているが、屋根近く積もる雪の、時に紅葉の落ち葉や梢
に茂る道を想うのである。
その風景感覚は北ならではの空気感覚と思う。
同時に山田さんは、精力的に札幌を中心に知られざる土地・建物
を尋ね、そこで一首の歌を創り新聞紙上に連載してきた。
そして全国各紙・各誌上にエッセイ・批評を発表し注目されている。
彼の今取り組んでいる修士論文は、すでにそれを膨らませて書き下ろ
しを出版する予定も待機しているとさえ聞く。
この豊かな才能のふたりが、如何なる対話を繰り広げるか、
現場には行けないけれどとても楽しみにしている。

深い所で札幌に根を保つふたりが、これからも世界に羽ばたき
真にインター・サッポロな拠点として札幌とこの場が在り続け
るように微力ながら自分も他の作家共々活きたいと思うのだ。

*瀬川葉子展ー7月20日ー30日予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2015-06-21 17:51 | Comments(0)
2015年 06月 20日

水難・金難・?難ー屋根(21)

I氏から市電で知人が私を見たと心配して電話がある。
多分昨夜の病院帰りの電車の事と思う。
5時間の透析治療後、空腹だったので電車を待つ間、電停の
向かいのコンビニでお握りを2個買い、電車が来る間食べた。
電車に乗ると間もなく急に冷や汗が出て吐きそうになった。
急なお握りのお腹と疲れが電車の揺れで体調を狂わしたのだろう。
マスクをしていたので、周囲には気付かれないと思ったが隣の席
の見知らぬ女性が、大丈夫ですか、と顔を覗き込み心配して声を
かけてくれた。
その様子をI氏に告げた人は多分この方かもしれない。
しばらくして吐き気も収まり、落ち着いてきた。
心配してくれた人は先に電車を降り、親切な人だなあと思って
忘れていた。
I氏は来月東京に転勤となるので、近々お酒持って訪ねると
言って電話は切れた。
知らない所でこっちを見知っている人がいる。
帽子にマスクでも分かるのだな。
それが翌日にI氏にもう伝わるなんて、世の中は狭い。

前日アキタさんと山田さんが来て、ここの近くに最近引っ越して
来た飯屋はるやへ初めて行った。
今引越し準備で一時東京へ帰っている成清裕太君の泊まっていた
ゲストハウスが上階にあるお店である。
以前は南の方にあり、美味で有名で何度か円山時代行ったことが
ある店だ。
それもあって一度は行こうと思っていた。
注文受けてから調理するのか、ずいぶんと時間がかかる。
その分確かに味は良かったと思う。
夜だったのでお酒タイムの所為もあったのだろう、すべてが
単品注文のメニューで、酒抜きはわれわれぐらいだった。
その翌日金曜日通院で久し振りに延長の5時間透析で、本当に
疲れた。
I氏にも来る時は水・金曜日の夕方以降は通院で留守です、と
伝えた。
月曜日も通院だが、この日は定休日なので最初から除外している。
差し詰め水難・金難と覚えてもらっている。
月曜はなんなら・・女難とでもしておきますか・・・。
冗談です。

*瀬川葉子展ー7月20日ー31日予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 te/fax011-737-5503



[PR]

by kakiten | 2015-06-20 13:38 | Comments(0)
2015年 06月 18日

夏日ー屋根(20)

搬出も終わり酒と煙草の匂いが減少した談話室が戻ってきた。
一日休んで、今日は夏の日差しが濃い。
ダスキンのH氏が来る。
毎回モップひとつの交換だが、最近はそのモップ代にも
事欠く事があっても、快く黙って交換していく。
そればかりか毎回なにかかにか差し入れを置いてゆく。
応援だよ、と笑う。
旧円山時代からの友人でもあるから、気持ちは分かるが
いつもの事となると申し訳ないのだ。
差し入れがモップ代を超えてるから・・・。
以前はビール半ダースとかお酒が多かったが、最近は病を
思ってか菓子類や栄養飲料が多い。
かって寺山修司の天井桟敷にも関係した演劇青年で、ダスキン
の仕事をしながらも、熱い志を保ち多くの武勇伝もある男だ。
その頃から店舗用の多くの清掃用品を納入して頂きながら、
それを超える個人的な友情を育み、付き合ってきた仲である。
今はたった一本のモップだが、変わらぬ友情は今も続いている。
振りかえれば、バンカラだが楽しい思い出が沢山あるのだ。
少し遅い青春のような記憶である。

夏の太陽の光とともに、自分たちの太陽の季節を思い起こす
ような友人と話し、一瞬心は青春だった。
かって激しく燃えたこうした友人達の密かなエールを、私は
胸に蓄えながら、閉じる事無く続けなければならない。
そんな殊勝な素直な気持ちになる午後だった。
H君ありがとう、

*瀬川葉子展ー7月20日ー31日予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2015-06-18 15:10 | Comments(0)
2015年 06月 16日

最終日(Ⅱ)ー屋根(19)

午前から午後へかけての嵐が去った後静かな時間が来る。
方斎氏と入り口の一段高い床に腰掛け、雑談をする。
午後の暖かい光が眩しいくらい降り注ぐ。
縁側の感じだなあ。
顎鬚の生やした生臭い仙人とおっかなそうなおっさんが
縁側で日向ぼっこ。
あまり外目には絵にはならないだろうが気持ち良かった。、

奥の談話室へ戻ると間もなく、元夕張美術館のU氏が来る。
うどんや豆腐、メロンをお土産に頂く。
電話が鳴り同じ今日が最終日のMギャラリーで展示の藤倉翼・
竹本英樹写真展会場の翼氏からだった。
これから車で迎えに行くという有難い電話だ。
間もなく翼氏が来てじっくり方斎展を見てくれ、その後ふたり
の会場へ向かった。
久し振りに行ったMギャラリーは緑濃い山にある。
先代のMさんが自宅兼アトリエとして建てた豪邸である。
今は娘さんのOさんが全てギャラリーとして使っている。
藤倉・竹本さんのニューヨーク滞在中に撮られた写真が、見事な
会場構成で展示されていた。
ふたりの新たな出発・展開の予兆に満ちている気がした。
今回彼らと会いたかったのは展示もあるけれど、岩手の小さな町
をまるごと会場とする写真展の出品依頼におふたりを推薦しよう
と考えていたからだ。
ニューヨークで地下歩道で路上販売をした竹本さん、日本各地の
ネオンサインを真正面から撮影し続けている藤倉さん。
このふたりならきっと東北岩手の小地方都市で続いているこの企
画に賛同し協力してくれると思えたからだ。
企画書を見せ8年前の最初の展示図録を見せる。
ふたりも大いに興味を抱いたようで、大都市ミューヨークとはまた
別の東北の小さな街の商店街にふたりの写真が路上にさり気なく
並ぶのも面白いと思う。
そこへ竹本さんの愛嬢由音ちゃんが来る。
展示の片付け手伝いに来たという。
私が来てる事を聞いていたらしく、先日の修学旅行のお土産と言っ
てお菓子を頂いた。
嬉しくて箱を見ると、なんと岩手のお菓子だった。
天使がふたりの岩手行きの矢を放つてくれたような気がした・

帰路も翼さんが送ってくれる。
最終日の多忙な中感謝である。
着くとこちらも搬出作業の真っ只中。
酒井博史さんが手伝っていた。
佐佐木方斎展最終日、実り多い一日が終わる。

*瀬川葉子展ー7月中旬~。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2015-06-16 13:18 | Comments(0)
2015年 06月 14日

最終日ー屋根(18)

方斎氏の古い友人建築家のY氏が来て、1080年代
死んだ坪川光世君の友人だったと知る。
そこから昔の事が今に甦り、話が跳ぶ。
そんな中声がして美術評論家のK女史が来る。
沢山の食べ物の差し入れ。
Y氏にKさんを紹介し、これまでの仕事の一部をファイル
した冊子を見せる。
Kさんのクリスト夫人葬儀の模様や色んな経験談に
Y氏も熱心に耳を傾けていた。
そこへ美術家のN君とドラム奏者のA君が来て、また夫々を
紹介し、座が賑やかになる。
初対面が多いYさんもすっかり打ち解けて、お茶目な一面を
発揮し笑いを誘う。
最後には全員で集合写真撮るまで打ち解けた。
朝早々昼過ぎまでの第一陣の訪問だ。

方斎氏が床に臥していた時から陰ながら見捨てず彼を応援して
いたYさんは、今回の新作展示にも心から嬉しそうだった。
みんなが帰ってポツリと方斎が呟いた。
Yさんが来てくれてほっとしたなあ、これで何とか今回もやり
終えた・・・。
毎回必ず来てくれるYさんだが、今日のように見知らぬ人と同席
し、嬉しそうな姿を見たのは初めてだった。
まして全員で写真まで撮るなんて事は今まで一度も無かった事だ。
年を重ねてなお少女のような眼差しのYさんの暖かく厳しい精神
に敬服した昼だった。

ここで電話が鳴りFAXが届く。
帰宅したばかりのYさんからだった。

 佐佐木方斎展 色相の美しさ、テキスチャーの味わい、展示
 スペーシングの上手さ、”行って、拝見できて良かった”企画
 でした。・・・・
 Y様、N様、皆々様へ改めて宜しくご伝達下さい。

*佐佐木方斎展「Primary Painting」-6月14日(日)まで。
 am11時ーpm7時。
次回展示 瀬川葉子展ー7月中旬~。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2015-06-14 14:11 | Comments(0)