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2013年 01月 31日

泉と森の遺産ーイシカル・1月(18)

先日の新聞記事に植物園北に広がる大邸宅伊藤邸の
マンシヨン計画に関する報道が掲載されていた。
1月29日付北海道新聞朝刊である。
内容は伊藤組会長宅約一万四千平方メートルの敷地に
高さ90メートルのマンシヨン建設計画があり、その調整を
札幌市当局と進めているという内容である。
この地域は高さ30メートルを超す建物は建てられない第一
種住居地域で規制がある。
その為その調整と調査の為に今年5月から約3カ月かけて
敷地内の植生や水脈、土質、土壌の状況を調べるというもの
だった。
面積が札幌ドームのグランド部分に匹敵するこの広大な私邸
敷地内にはハルニレやヤチダモなどの天然林が残り、その地
形も植物園ー偕楽園緑地ー清華亭ー北大構内と続く札幌の
原風景の面影を残す貴重なものである。
私たちはマンシヨン計画が発表された3年前からこの貴重な
ゾーンを守る為の反対署名運動を展開してきた。
かってこの一帯は泉の湧くヌプサムメム(野傍の泉池)と呼ば
れた地域であり、その源泉は北大の構内を流れるサクシコト
ニ川の源流ともなっている。
偕楽園跡地にはその水を祀る井頭龍神の祠が今も残っている。
その分祀がこの伊藤邸の庭にもあると記録されてもいる。
伏流水の湧く豊かな札幌の本来の地形を今に伝えるこの地域
は、同時にハルニレ(エルム)の繁るかっての原生林の面影を
今に残す貴重な風景である。
かって北大がエルムの学園と呼ばれ、札幌がエルムの都と呼ば
れたのも、このハルニレ(エルム)の原生林のあった所為である。
そうしたゾーンの保存を私たちは「緑の運河エルムゾーンを守る」
会としてマンシヨン建設反対署名運動を展開してきた。
そして機会あるごとに、このゾーンを歩き、その貴重な自然を
実際に見て、その保存を訴えてきたのだ。
今年も昨年の「ヌプサムメム(野傍の泉池)」展に続く「あふれでる。」
展の初日にこの話が報道されたのも不思議な縁である。
札幌市の調査結果にもよるが、今後もこの一帯全体を札幌に残さ
れた数少ない貴重な札幌の原風景として保存されるべきものとして
あらためて強く訴えたく思うのだ。

*高臣大介ガラス展「あふれでる。」-2月3日(日)まで。
 am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2013-01-31 15:14 | Comments(0)
2013年 01月 30日

高臣大介展始るーイシカル・1月(17)

水の波頭の骨のような太さ3~5cmに長さ30~50cm程の
透明で硬質なガラス百一本が正面吹き抜けに雪崩れている。
吊ってあるその一本を揺らすと接する音が他にも一度に連動
して鐘のようにいっせいに鳴り響く。
「あふれでる。」
今回のテーマの見事な音とガラスの形象である。
昨年の主題<野傍の泉池>の深化を充分に感じさせる。
今回のタイトルに相応しい展示となった。

かって鮭が押し寄せ、水が湧き川となって石狩の海へと流れ出た
札幌扇状地の母なる泉(メム)。
その泉のあった清華亭とその流域にあるこのテンポラリースペース
を繋ぎ展開した昨年の作品ではまだ手探りのようであった主題が
今回百一本の透明な波濤となって昇化している。
朝の光、午後の光、夕暮れの光の中でその時々の雪明りに浮かび
上がる水の骨のよう作品群は、清冽な冬の澄んだ底、風骨の背骨の
ように、透明で鮮烈なのだ。
吹き抜けの上の廻廊から見下ろすと、さらにその主題性が鮮明になる。
地の底から湧きあがる泉の裸体を俯瞰するかのように、動的な噴流が
立ち上がって見える。
そして廻廊のあちこちに同じ透明なガラスの器に差された花が揺れて
階下の白い壁と光に透明なガラスだけの世界と対照的な有機的な
世界が階上には広がっている。
ガラスを透した光が時に音の形象となって廊内に溢れ、風ともなる。
廊外の雪の降り積もった白い世界の光が廊内の透明なガラスと交響
して、世界は光の重なる透明な空気に満たされる。
それは水の世界でもあり、光の世界でもあり、存在の透明な骨の世界
でもある。
高臣大介は今回泉の泉源を正に<あふれでる。>という動態として、
形象化したと思えるのだ。
千葉県から洞爺に移住して10年余。
泉の形象化を通して、同時に自らの生きる磁場を形象化しつつある事を
今回の展示は証明している。
泉のように、北の地に根付いたな、友よ大介。

*高臣大介ガラス展「あふれでる。」-1月29日(火)ー2月3日(日)
 am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2013-01-30 13:20 | Comments(0)
2013年 01月 28日

燃える逆三角ーイシカル・1月(16)

古館賢治さんのライブを伝える中嶋幸治さんの声が熱い。
さらに某地下画廊での藤倉翼さんたち3人の写真展と、
烽火のように熱い反響が届く。
初のCD出版後最初の古館ライブ見聞した中嶋幸治さん
の感動は、只ならぬ。
このCDのデザインを装丁した中嶋さんの気合がその
まま持続されて、爆発している。
実際にライブを聞いてはいないが、その感動は逆流する
ように伝わってくる。

藤倉翼、メタ佐藤、北川陽稔さんたち3人の「重力と虹」
写真展は初日に見て来た。
圧巻は正面に飾られた藤倉さんの横4mに及ぶ大作写真
「parade 3」だった。
この一点だけでもう「重力と虹」というテーマは集約されて
いる。
日本ハムファイターズの優勝パレードをビルの屋上から
俯瞰して撮った超大判写真だが、紙吹雪の向こうに流れる
人の列だけで構成された画面はシュールである。
そしてビルの屋上から下を見下ろし俯瞰し撮られた作品が、
この地下画廊に在る事自体が不思議な位相に在る。
この地下画廊のあるビルは地下街建設以前の古いビルである。
従って画廊のある地下2階は元々倉庫やボイラー室用の全体
共有部分で普通は見る事のできない場所にある。
そんな地下に没している空間に、その真逆の位置から撮った
写真が嵌め込まれて在る。
その意味でこの展示の場所の位相は、写真の撮られた位置
と真逆の位相といえる。
さらに言えば、この3人構成はかってメタ佐藤さんが参加して
いた写真グループ名三角に準じれば、別の3人による逆三角
展ともいえるものだ。
その逆の軸心に在るのが、藤倉翼さんの写真一点といえる。
他のふたりの作品も優れているのだが、なんといってもこの地下
空間に一点正面壁一杯に置かれた幅4mもの大作がもつ充溢感
には敵わない。
主題のシンプルさとシュールさが、作品の信じられない大きさ
とともに説得力を保っているのだ。
地下を掘り下げ地表を迫り上げ膨張する都市構造のミクロと
マクロの複眼構造を集約してこの「Parade 3」という作品はあっ
て、それが古いビルの本来は見ることの無い沈む地下空間に
華やかな表通りの優勝パレードの紙吹雪が象嵌される事自体が、
都市の逆三角とも思えるのである。

古館賢治さんのライブへの中嶋さんの熱いエール。
地下画廊での藤倉翼さんの熱い紙吹雪。
ともに逆流する三角の烽火のようだ。
明日から始る高臣大介展も熱い展示の槌音を今響かせている。
「あふれでる。」
ここでも昨年の「野傍の泉池」から、熱い泉が海へとあふれでている。
波浪の形象をした百本の透明なガラスが時折り澄んだ音を立てている。
まるで、音の紙吹雪。
あふれでる泉の三角点。

+高臣大介ガラス展「あふれでる。」-1月29日(火)-2月3日(日)
 am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2013-01-28 13:24 | Comments(0)
2013年 01月 26日

あと2日ーイシカル・1月(15)

高臣大介展まであと2日。
月曜日には展示だから、作品制作は今日と明日が勝負。
昨年清華亭と結んで展示した「野傍の泉池」展に印象的
だった泉が溢れ結晶したような流水のような作品が
百本集中して創られているようだ。
このところツイターもブログもフェースブックにも普段饒舌
な大介が寡黙であるのは、それだけ作品制作に集中して
いる所為であると察する。
今日の久し振りのブログ記述でその近況が分かる。
千葉から洞爺の湖を見下ろす月浦に移住して10年余。
新たな海を自らが創っている。

to:とー:湖・沼ー古くは海をも言ったらしく、北海道の山中の
忌詞では海をtoと言い、・・・海の凪を「ノと」noto(よい・海)
の意だった。
      (知里真志保「地名アイヌ語小辞典」)

洞爺の語源もこのアイヌ語のto:とーから発している。
昨年の「ヌプサムメム・野傍の泉池」に触発されて創られた
流水の作品は、洞爺の語源である湖・海にも通じてさらに
大きな水の源へと深化して形象化されているはずである。
かって札幌扇状地の伏流水が湧いた場所が、野傍の泉池
(ヌプサムメム)と呼ばれた清華亭の在る場所であり、その
今は見えない幻の泉を主題に展開した昨年の展示のさらなる
深化が、今回の百本の波浪の作品となって展開されるのだ。
伏流水の泉は、深々としたto:トー:沼・湖・海ともなって
新たな高臣大介のトーヤ湖となって再生するのかも知れない。


*高臣大介ガラス展「あふれでる。」-1月29日(火)-2月3日(日)
 am11時ーpm7時

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2013-01-26 16:25 | Comments(0)
2013年 01月 25日

入口考ーイシカル・1月(14)

雨雪、風強し。
夕方から気温が下がる予報なので、雨で濡れた雪道は
つるつるのブラックアイスバーンになるだろう。
横を疾走する車に歩道の前後左右足下と、一瞬の油断
もできない。
昨年転倒して左手首を骨折した事を思い出す。
近道をしてそれが不安定な路面で油断したのだ。
急がば廻れ、である。
地下舗道や地下鉄はその心配は無いが、他の与件が
過剰である。
歩行が鋭角的で、絶えず耳には情報が届く。
歩行のない地下鉄車内で人は寡黙だが、車内放送は
ほとんど絶え間なく流れている。
停車し出口から出る人は、再び鋭角的な歩行に戻り一散に
次なる出口へ足早に流れる。
つるつるの舗道では個人的な格闘技のように歩行は変化し、
鋭角的な歩行は危険となる。
ぶらぶらと逍遥する歩行の楽しみは、この季節の都会には
欠如している。
都市とは過度に過剰な与件に満ちて、空間もぎっしりと詰まっ
ている場である。
物・人・情報が鋭角的に空間をぎっしりと詰め込んで、隙間が
薄い。

最近歩いていないが、かってカンジキで雪山の山麓を逍遥し
ていた事があった。
山スキーもしていたが、カンジキで真っ白な雪の上を踏みしめ
時に大きな木の梢を見上げ、ぼんやりとするのが楽しかった。
空間が良い意味での透き間だらけで、そこから新鮮な未知の
世界が垣間見えたのである。
世界は出口ではなく、たくさんの入口に満ちていた。
都会では・・と、ふっと思う。
人は皆、出口を求めて急ぎ足だ。
出口の為に歩行している。
だからいつも急ぎ足の鋭角的歩行なのだ。
自然界では出口より入口が主である。
帰り道はあるが、それは出口ではない。
古アイヌ語に入口を意味することばが多いのも、自然とともに
生きた先住民の当然の所為だろうと思える。
イ・プツ=入口:江別:勇払。
イ・パル=入口:夕張。
アフンルパル=あの世への入口。
本当は人は入口を求めて生きているのではないのか。
出口を求めて生きてはいない筈だ。
口とは食物を食べる口でもある。
美味という喜びは口から生まれ、決して出口から生れはしない。
美味しいと感じるのは入り口からであって、出口からではない。

歩行もまた世界に入口を発見する事から、喜びが生まれるのが
当然と思われる。

*高臣大介ガラス展「あふれでる。」-1月29日(火)-2月3日(日)
 am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2013-01-25 13:58 | Comments(0)
2013年 01月 24日

古館賢治さんのCD-イシカル・1月(13)

「すきとおったほんとうのたべもの」という宮澤賢治から取った
という素適なタイトルの古館賢治さんの初CDが出た。
カバーデザインは美術家の中嶋幸治さんで、これもタイトル
に似合って素晴らしい。
気だるさとクリアさを兼ね備え、かつ澄んだ高音の古館さんの
歌声は不思議な魅力を保っている。
彼の詩と曲の保つオリジナリテイは、聞き終わっても余韻のよう
にその瞑想が続く事である。
曲自体が浮遊して、後から口ずさむようにリフレーンするのだ。
彼の声がもつ押し付けがましくない親しみは、正に<すきとおった
ほんとうのたべもの>のように、在る。

私にとって古館賢治さんは、前の円山北町時代最後のライブを
して頂いた事が一番の思い出にある。
某TV局の取材の中、ラストコンサートは行なわれた。
そのヴィデオは今も残されてあるが、ピアノの有本さんとともに
忘れられないコンサートだった。
彫刻家の今は尾道にいる野上裕之さんも、彼の歌が大好きで、
一昨年の札幌での結婚披露にも古館さんの歌をお願いした。
それは今回のCDには収録されてはいない「船出」という曲で、
この曲を尾道の船大工として生計を立て彫刻も続けている野上
さんには、人生上非常に大切な出発の歌ともなっていると私は
感じている。
15年程前野上さんの個展時にこの曲が唄われて、それ以来
野上さんの心の指針のようにこの歌はあるのである。
古館さんの歌は、そうした余韻のように聞いた人間の心に保た
れるものがある。
水のように透きとおって沁み入るのである。

昨日所用で早目に画廊を出た後、出来上がったばかりの今回の
CDを届けてくれた。
今朝シャッターの間に挟まってメモとともにあったのだ。
会えなかったのは残念だったが、今このCDを聞いて彼の本当の
才能を思うのである。
またひとつ、どこか心の底で何かの折り、そっとハミングしリフレーン
する歌曲が生まれるなあと感じている。
押し付けがましくなく、それでいて忘れられない歌、旋律として。

 すきとおつたほんとうのたべものーAll song by 古館賢治

*高臣大介ガラス展「あふれでる。」-1月29日(火)-2月3日(日)
 am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2013-01-24 13:06 | Comments(0)
2013年 01月 23日

陽光射してーイシカル・1月(12)

ようやく零下の寒気を脱して、煌く陽射しが溢れる。
水道もスムースに水が出る。
週末再び寒気が戻るというから、束の間の小春日和だ。
地下鉄通勤になってはや2ヵ月近く。
毎日電波中毒のような、スマホを覗き込む半数以上の人の
中にいる。
下車する時以外は手元の端末機械に目を注ぎ、画面を撫で
廻している姿ばかりを見ている。
何百人何千人も一度に運ぶ地下鉄の運搬増幅力。
同様に手元では目に増幅する電気的情報。
どちらもが電気の力による増幅である。
足も体も目もそんな電気の増幅力の内に絡み取られて、
都市とは電波中毒の世界ではないだろうか・。
そんな電気増幅力主体の都市を支えるのが、石油や石炭・
原子力である。
そのエネルギー源が今冬の寒気に高騰している。
灯油ガソリンが値上がりし、家計を脅かす。
原発は稼動を止め火力発電の比重が増しているから、電力消
費は抑制を要求される。
節電を呼びかける情報は至る所にあって、電波中毒に節電という、
どちらもが電気に過度で過剰な都市生活の反映そのもののようだ。

電気の保つ増幅力は、飛躍的に人間の範囲を拡大したかに思える
が、今日の陽射しのような美しい光とはまた別の光を手にして見て
いるだけなのかも知れない。
暗闇に光を、というのも人間の知恵だろうが、闇は闇のままにという
あるがままもまた、自然の知恵・恵みではないだろうか。
闇夜に灯かりではなく、闇を欺く大光量は光の大増幅以外の何もの
でもないのだ。
情報も同様である。
風の便りだけで充分心暖まる時もあるのだが、さらに増幅された
情報を貪欲に求めるのは、時として必ずしも幸せとは思えない。
手元の小さな電気画面を触りまくって他者と繋がっている姿は、
あまりにも過剰なる通信中毒のように思える。

久し振りに美しい陽光を浴びていると、ふっとそんなふたつの光の
差異を感じるのだ。

*高臣大介ガラス展「あふれでる。」-1月29日(火)-2月3日(日)
 am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2013-01-23 12:24 | Comments(0)
2013年 01月 22日

ふたりのフーガーイシカル・1月(11)

北関東に隕石の火の玉が落ちたと東京の石田尚志氏より
メールが届く。
と同時に静岡・三島の大岡信ことば館より吉増さんの大草稿
到着に驚くとの内容だ。
途方もない宇宙のようだ、と手にした大草稿を目の前にして
石田さんが興奮している。
あと一ヵ月程して今度は岩手・北上にこの大草稿は移動し、
さらにまた石田さんのアトリエへ。
こうしてこの一年間石田さんアトリエを中継地点にして全国
各地を移動しながら、その間草稿の数は増えてゆく事になる。
まさしく流星のように世界を駆け巡りながら、その質量を増幅
させてゆく事になる。
その間石田尚志はこの草稿の大束を素材として、いかなる
作品に仕上げてゆくのだろうか。
鈴木余位さんとの共同作業で天才石田尚志の燃えるような
創造魂に火が点いていくだろう。
これは吉増草稿を主音にしながら、石田の声部が追いかけるよう
に自由に模倣しからみつく「フーガの技法」のような展開になるに
相違ない。
絵画とも詩とも音楽ともそのすべてとも言えるような、途方もない
作品のその発進が始ったのだ。

石田さん、これはあなたの2001年の傑作作品「フーガの技法」の
もうひとつの再来となるでしょう。
否、それ以上にトータルな凄い仕事となりますね。
沖縄ー夕張ー石狩ーカナダー東京と循環する石田さんのこれまで
の総括も含めて・・。
年末、この草稿の本拠地で心して待っております。

*高臣大介ガラス展「あふれでる。」-1月29日(火)-2月3日(日)
 am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2013-01-22 12:42 | Comments(0)
2013年 01月 20日

白と灰色ーイシカル・1月(10)

冬の底のような日が続く。
流しの水も停滞したまま。
今朝は少し寒気が緩んだのか、水は水のままで
氷結はしていない。
部屋を暖めてみるが、排水管の奥が凍ったまま
なのか、水は流れない。
家を出た時は吹雪いていたが、地下鉄を出ると
雪は止み白と灰色の世界だ。
今年は寒気が続く。
灯油の注文をして来週からの日常に備える。

次々回展示予定の秋元さんが来て打ち合わせする。
住んでいる江別の小さな山飛鳥山がテーマと言う。
同名の小山が東京の王子にもあるそうで、そこを正月
訪ねたという。
何故同じ名前の山があるのか。
大きさや規模も似た形のようで、移住者の故郷への
想いが山の名前になったのだろうか。
そんな自分の生まれた場所の歴史を調べて作品として
展開する構想のようだ。
同じように同級生だった森本めぐみさんも、生まれ故郷の
恵庭を主題に作品を発表していたが、それぞれの固有の
場を主題にインターローカルな展開が試みられるのは、と
ても興味がある主題である。
個別なテンポラリーがあって、コンテンポラリーな視界が開く。
個別な状況に深く垂心を降ろしてゆけば、深く開かれた世界が
見えるかも知れない。
その可能性に架ける情熱に、作品の深度もまた問われ試される。
札幌の東南に位置する石狩川の入口・江別から野幌丘陵の麓で
いかなる歴史が語られ紡ぎだされるか、今から楽しみな展示である。

夕方山田航さんが来て、故菱川善夫展の可能性について語りあう。
久し振りに熱く菱川善夫について語る事が出来た。
短歌界だけの射程距離に留まらない先生の足跡を、今こそ広く世に
問うような展覧会を試みたいと、山田さんと熱く語り合ったのだ。
生前の菱川善夫を知らない山田航さんとこんなにも熱く菱川善夫
を語れるとは思わなかったが、それも菱川善夫の遺した力である。
福島泰樹よ、賀村順治よ、田中綾よ、何とか実現しようよ。
菱川善夫展を・・・。

*高臣大介ガラス展「あふれでる。」-1月29日(火)-2月3日(日)
 am11時ーpm7時。
*秋元さなえ展ー2月12日(火)-21日(木)

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by kakiten | 2013-01-20 13:29 | Comments(1)
2013年 01月 19日

冬底深くーイシカル・1月(9)

寒気鋭く、風強く、雪深い。
今冬一番の冷え込み。
流しの水も流れず、排水管が凍っている。
そんな日ドイツより今年のカレンダーが届く。
月別の大判のカレンダーで、すべて谷口顕一郎さんの
作品となっている。
中に手紙があって、ケンとアヤのサインがある。

 明けましておめでとうございます。
 いつもブログ読んでいます。
 TEMPORARY SPACEがいろいろな人達にとって
 かけがえのない場所になっていること、本当の意味での
 受け皿になっていること、ほこりに思っています。
 まだ、札幌に帰る予定は決まっていませんが、その時は
 かんぱいしましょう。

寒さで凹んでいた気持が少しこれを読んで、明るくなった。
お返しに少しだけ余分のある吉増剛造展の名作フライヤー
と酒井さんの同じ傑作活版暦を送ってあげようと思う。
活字の凹みが谷口さんの作品とどこかシンクロするような
気がするのだ。
吉増さんのフライヤーは奥さんのマリリアさんの絶賛もあり、
フランスにも送られているから、谷口さんの居るベルリンにも
送られれば、フライヤー自体が世界を廻る飛礫となる。
これも飛ぶ小隕石だなあ。
吉増さんの大隕石草稿集は、現在静岡・三島市に飛びその
後岩手県北上市、東京代官山へと廻り、さらに多摩美大の
石田尚志氏アトリエへと廻ってゆく。
そして今年末ふたたびここTEMPORARY SPACEへと
戻ってくる予定である。
吉増さんの関係者に配布した覚書には、括弧して(本拠地、
出戻り。ーHome Base)と記されている。
270余葉の大草稿はこの後一年後にさらなる増殖を重ねて
いかなる大塊となって戻ってくるのか。
それを思うと、この一年は楽しみでもあり、空恐ろしい途方も
ない時間でもあるような気がする。
谷口さんの美麗なカレンダーに印刷された精緻な作品を見な
がら、これも吉増さんの草稿も同様にミクロとマクロの作家の
業のような恐ろしいまでの曼陀羅世界を感じているのだった。

札幌の北の片隅の斜め通りに立つ小さな傾きかけたような
蔦の繁る凍てついた木造小屋で、宇宙基地のようにUFOが
飛び立ってゆく。
よく見れば穴だらけの隕石のような無愛想な顔をしたスカスカ
の姿なのだが、時に火を噴くその推進力は流星となって世界
を駆ける。
離れてみれば、時にそれは光を発する星のようにもみえるの
かも知れない。
ドイツから送られてきた谷口顕一郎さんの便りがもたらした
幻想の、私の初夢である。

*高臣大介ガラス展「あふれでる。」-1月29日(火)ー2月3日(日)
 am11時ーpm7時。
+秋元さなえ展ー2月12日(火)-21日(木)
*ふたり展「ハツゲン」-2月23日(土)-3月2日(土)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
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by kakiten | 2013-01-19 13:21 | Comments(0)