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テンポラリー通信

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2008年 12月 17日

初日寸景ーDecember voice(12)

斎藤紗貴子展初日。斎藤さんの友人佐々木恵さんが、オープニングの用意を
甲斐甲斐しくしてくれる。斎藤さんと同じ専門学校の先生で、女性ソムリエだそう
だ。日本酒にも詳しいらしい。私の淹れた珈琲を賞賛してくれた。水の所為ですよ
と答える。界川源流域のお水、備長炭の炭焼き自家焙煎の豆。素材がいいので
ある。札幌の水?、と不思議そうな顔をして聞くので、したり顔をして応えた。
札幌は水の豊かな所ですよ。メムという泉が、ここにも、あそこにもと説明する。
そして、多少の皮肉をこめて、ソムリエなら地元の素材を知らなきゃねえと言った
。暗にイタリアやおフランスばかり見ているんじゃないとワサビを効かしたのだ。
メグミルク、恵さんと勝手に仇名をつけてからかった。怒るかと思いきゃ、そうでも
なく素直な人であった。
そんなソムリエの活躍もあり、美味な心篭もった手料理が並び、いい初日であっ
た。何年ぶりかで、建築家アトリエ・ウポポの梶田清尚さん、気功の熊谷透さんも
見えて和やかな初日となる。
梶田さんは日本を代表する某大学を出た後、世界7カ国を放浪し、田上義也建築
事務所に勤務し、アパルトノン運動や多くの文化活動を札幌で展開した方である。
1980年代綜合文化誌「パルス」や「時空体」を立上げ、初めて夕張探訪を重ねた
のも梶田さんのリードであった。その風貌やキャリアから、天下のご意見番大久
保彦左衛門的なところがある。パブリックアートの第一人者北川フラムさんとも知
己でありながら、バッサリと現在の北川フラムを切り捨てる。苦言、辛口の人で、
時に批判一辺倒になるので、そういう時私は距離を置くことにしているのだ。
段々頑固一徹な面が濃くなって、時に逆らうときちっと聞いてくれる人でもある。
こうして斎藤さんの初日に来てくれるのも、本来優しく人を見る人間だからである
。某有名人の集りに集(たか)るように、顔を出すタイプの文化人とは違う。
泉の水と同じく、京極だけが名水ではない。もっとひっそりとたくさんの水の源があ
る。無名のそれらにどれほど敏感であり得るか、そこに人間の価値もある。
梶田さんのような一言一徹居士は、誤解もされようが本質はそうではない。
同じタイプと察するSくんは、そのブログで反感を露にしているが、これは誤解とい
うもので、得てして人間は同タイプの人間を苦手とする。近親憎悪というやつだ。
違いすぎればそれなりに無視も、感心もできるが、一徹一言居士同士は始末が悪
い。大久保彦左衛門がふたり仲良くなどという光景は考えられないのだ。
一徹は時として狭量ともなる。
まあ、どうでもいいが、初日梶田節が炸裂して、途中から2階に上がり休んだ。
最後に斎藤さんのシャンソンなどが披露され、最後は和やかにソムリエの〆で初日
の夜は更けた。

*斎藤紗貴子写真展「キャノンはない。携帯がある。」
 12月16日(火)-21日(日)am11時ーpm7時
*佐々木恒雄・チQ展「ランド・ホップする時」-12月23日(火)-1月18日(日)
*及川恒平ソロコンサート「冬の鏡」-1月12日(月)午後3時~入場料3000円
 予約2500円:12日は月曜日で休廊ですが、及川コンサートで開けます。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2008-12-17 12:25 | Comments(1)
Commented by nandaro at 2008-12-17 17:28 x
いや〜、見てみたかったす。その緊迫したような場面。


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