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テンポラリー通信

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2008年 08月 31日

後衛としての前衛ー夏の末(sak-kes)(8)

Kさんが、2回目の森万喜子展訪問。1回目と同じくあいにくの曇天。
それでもカメラを取り出し、作品を写している。そして、とりとめない話。
なにか寛ぐ時間が流れた。小樽橋本洋輔さんが来る。写真家の小林由佳さんも
来て、美術ブログの美翠さんも来た。
ふっと森さんの絵に惹かれるように、ふらりと人が来て、それぞれの大切な話を
それぞれにしていく。
作家本人は仕事があってこの日は来れなかったが、作品が充分に来た人に語り
かけていた。斎藤周さんがひとりで来る。会場をゆっくり見た後、佐佐木方斎さん
の3部作を見せる。前から見せると約束していたのだ。丁寧に一枚々見て、「格子
群」に惹かれると言う、そうだろうなあと思う。斎藤さんの作品は自由群、余剰群
的でありながらも、基本には強い格子群の存在のようなものがあるからだ。
その部分を佐佐木さんのように純粋に抽出して表現する強さを、実は渇望してい
る気がするのである。現実とより対峙した時、その表現がいつか顕われるに違い
ない。絵画の男性性ともいえるものである。反面森さんの絵画には、真の女性性
ともいうべき力がある。佐佐木さんと森さんは、その所為か不思議と気が合うのだ
。両方を堪能した斎藤周さんは、満足気な表情を浮かべて帰った。
こうして、作家不在に関わらずふらりと心濃い訪問者が来る。画廊主としては、
うれしく外せないのである。従って森さんの電話での勧めにも関わらず、途中で
早めに閉じて、この日最終トークと映像のある吉増剛造展には参列を取り止める
。昨日の詩人T氏からのメールも影響したのかも知れないが、ズレを隠して、ヘラ
ヘラと参列する気にならなくなったのだ。最終日前夜のお祭りに加わっても何か
自虐的な感じがするからだ。もう十分参加し、批判し、無視されてもきたからであ
る。そんな気持ちで昨夜は定刻通りギヤラリーに居て帰った。
今朝中嶋幸治さんからメールが届いていた。昨夜の吉増さんのトークで、冒頭と
後半に何度も”中森さん来てますか、来てないか・・”と吉増さんが会場に声をか
けたと言う。その様子が残念そうで淋しげだったから、これは是非朝一番伝えな
ければという内容だった。
最後の最後に本当の対話の相手をこのさっぽろで指定して頂いたようで、嬉しく
思った。最後尾にして最前列。後衛にして前衛。それでいい。
ともに、フラットなこのフラットな基地・都市構造と闘ってきたそれぞれである。
その一点さえ札幌で確認でき得れば、それでいいのだ。花輪のなかの剛造が、
素の剛ちゃんになっただけである。それがなければ、さっぽろと吉増剛造は何の
生産性も保たないのだ。古札幌川と古多摩川が、同時代の精神で合流する事も
ない。

昼近く青空広がる。光燦々。阿部典英さんこっそりと来たよう。声もかからず案内
状置いてある。初めて来たので挨拶くらいしたかったが・・。後藤和子さん2度目
の訪問。晴れた日に見たいと言っていたから、満足したようだ。
札幌マラソンとかで、車規制激しく遅れていると森さんから電話来る。
Kさんのブログで、もう一度晴れた今日見に来たいと書いてある。久野志乃さん
も今日来ると言う。午後3時からの及川恒平コンサートの出席は諦める。
ここでも聞いたし、もういい。私は私の現場に立ち続ける事にする。大野慶人さん
のせっかくの今夜のご招待もむりだなあ。慶人さん、許されよと心に思う。

*森万喜子展ー31日(日)午後7時まで。
*gla_galのFresh Answer展ー9月2日(火)-7日(日)
*新明史子展ー9月16日(火)-28日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2008-08-31 12:22 | Comments(0)


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