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テンポラリー通信

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2008年 05月 20日

風強く、雨ー5月の共和国(18)

日曜日とは一転して、風強く、曇天、雨。
海辺のマイナスイオンが、体に沁みたのか、体が熱い。
少し筋肉痛が残り、これっていい感じ。
今朝は、自転車を置いて出る。奥三角マイラブ、そして、樹の友人にも挨拶。
傘が風で逆さになって、駄目になる。円山地区は、ビル風が強い。
今日は岡和田さん、帯広より来廊し、明日からの個展の為、展示予定。
小林麻美さんよりメール。実りある時間と伝えてくれる。
毎日、会場で生の声を聞き、帰ってこの通信を読むのが楽しみだったと云う。
拙文、拙評に応えて頂き嬉しく、恐縮。だが、何よりも若い佐々木恒雄さんや、
復活佐佐木方斎さんとの出会いが良かった、と私は思う。
作品を通して展覧会場で交差する。その交差が、場という函の命である。
場を覇権主義で歪める人もいる。個の帝国主義、植民地化である。
このエゴのブラックホールには、茶坊主とゾンビのような追従者が群れる。
開く事は無く、閉じた覇権が支配する。場をただの利便性と参列者の崇拝で支配
しようと企むのだ。閉じた箱の修飾には、多分芸術という二文字が主となる。
芸はもともと、<土くれを掘って草木をうえる意>と言う。英語のcultivateと似て
耕作する。耕す。そこからculture:教養・文化に転じるように、本来の芸術もある。
原点の行為を差し置いて、結果の美味しい所だけを頂くさもしい根性が、場を草刈
場に荒廃させ、ただのハコにおとしめるのだ。量数と権威、言い換えれば富と名誉
に満ち満ちた欲望の覇権主義である。
土くれを掘る、足下を耕作する、そうした日常の営為を場に求めず、実と花の結果
の陳列に重きを置く精神に、真の文化力は無い。
個展という展示の時間もまた、耕す時間である。そこには、人と人の出会いという
耕し、植える行為がある。生きるを繋ぐ時間がある。
そこは、「美」に追随する参列の場ではない。
美術を覇権主義のブラックホールに陥れてはならない。
芸術を、現代の小麦や玉蜀黍、石油と同じ覇権主義の具にしてはならないのだ。
場を耕せ、掘れ、そして同時代の根に開け。

*岡和田直人展「好日」-5月21日(水)-30日(金)am11時ーpm7時
 月曜定休・休廊
*斎藤周展「おおらかなリズム」ー6月7日(土)-22日(日)
*秋田ヒデキ展(予定)-6月24日(火)-7月6日(日)
*細井護展ー7月8日(火)-13日(日)
*酒井博史てん刻ライブー7月20日(日)am11時ーpm7時
*久乃志乃展ー7月22日(日)-8月3日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2008-05-20 12:07 | Comments(0)


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