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テンポラリー通信

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2008年 04月 08日

揺れる季節(とき)-ランドとしての石狩(15)

路面が乾いている。陽気が続く。アスファルトの上に、まだ芽の出ていない裸枝が
映っている。路が静脈のように見える。残雪の小山が溶けて、路面を濡らし、黒い
翳を流している。自転車の車輪がそこだけ、濡れた音を発てる。冬の終わりの静
脈の路を疾走る。森の大木もきっと太い根を顕わにして、祖父の掌のようになって
いるのだろう。競馬場脇の柳の大木は、今年もうっすらと緑が煙りだしている。ここ
が界(さかい)川の終り、川の新たな出会いの場処。
及川恒平の静かな、しかし濃いライブのあと。
糸田ともよさんのメール、かひさんのミキシイのブログが、濃い。葉脈コンビのふ
たりは、今回一番心撃たれて、立ち尽くしている。
唄の後、にこにこと明るい顔をして、草餅べっこう餅をみんなに配っていた人もい
た。来た時とは顔が違う。開かれる人、立ち尽くす人。それもみな、唄う歌の力だ。
乾いたアスファルトに裸木の枝ゝが血脈を与えるように、生命の触れる力が声と
なって、心の静脈を創っていたのだろう。
ReSongs-この<Re>とは、文字と言霊が声を介して響きあう、優れた境界(さ
かい)の再生の時を意味したと思える。音楽と文学という分野をオーバーフェンス
したそれぞれの根の時間。漁師が山へ行き木を植えるような、コンテンポラリーな
それぞれの海と山。有機的に繋がる時間の川。揺れる季節、春の気配に人の心も
、芽を吹き出す息吹きがある。
及川さんのコンサートの打ち上げで呑んだ後、翌日と翌々日は疲れが出た。
定休日の昨日、半年近くはきつづけたズボンにさすが嫌気さして、ユニクロに行く。
病院に寄った後、衝動的にふっと思ったのだ。ツーパンツフェアーで安かった。
帰りに空腹で、これまた衝動的にファミレスに寄る。
物を買い腹を満たしたが、なにか空虚だった。どちらの空間にも時の保水力が
希薄だったから。

by kakiten | 2008-04-08 17:17 | Comments(0)


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