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テンポラリー通信

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2008年 01月 10日

凍(しば)れる朝ー視線と拠点(27)

今年の冬一番の冷え込み。危うく水道管凍結になるところ。もう凍っていたがスト
ーブをつけて暖め回復した。トイレも同じで水が溢れたが溜まった水が氷結して
いた為で、叩き割り正常になる。昨晩水を落としていかなかったのが油断である。
やはり冬は冬。暖冬と気を緩めてはいけない。室内の冷気と外界の白い雪の光
の反射に森さんの作品がきりっと暖かい。正面百号の新作は他の作品と比べて
赤橙色が濃く、暁のような色だ。この激しさは多分ここで個展をすると決めた決意
の色だろうか。この作品だけが正面きって激しさを顕(あらわ)にしている。暖色の
激しさとは、正に陽光の保つ激しさなのだ。以前暁をstrike of dayと記した。ま
さにこの<strike>の激しさである。今朝の冬という自然が水の氷結という凝縮と
、溶けて溢れる力の両方の現象を見せてくれる。光もまた凝縮し溢れる。透明な
澄んだ光は溶けて色彩となって溢れるのだ。暁の一瞬一瞬がそうであるように。
人間はその一瞬を絵画として留めることができる稀有な生物である。その幸は深
い闇、不幸を見詰める精神の力から発するものだ。その形象が作品となってある
時、現代とか近代とか中世とか人の区別する時間の境界線はあまり意味をもたな
い。今を生きて、表現している事、その事実に暁を前にして時代を語る愚が存在し
ないのと同じと思える。感覚に直に一撃を与えるものに時代の愚かしい線引きは
いらないのだ。ー<モモはふと気がつくと、みごとにうつくしい大きな時間の花を手
に持っていました>-。それは今を生きる時間という花である。森さんの色にはそ
の時間の命の彩(ひかり)がある。

*森万喜子展ー1月9日(水)-20日(日)am11時ーpm7時
*高臣大介冬のガラス展「雪と花光とgla_gla」-1月22日(火)-2月3日(日)
 :22日午後7時~太田ヒロパーカッシヨンライブ

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2008-01-10 12:54 | Comments(0)


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