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テンポラリー通信

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2007年 08月 15日

風もない日ー真夏日

墓参を済ませ午後テンポラリーに着く。まもなく一周忌に出席して喪服の斎藤周さ
んが見える。会場の仮設の壁の解体を始める。そのうち隣のテーラー岩澤さんが
梯子を貸してくれ手伝ってくれる。やがて酒井さんも来て撤去が進む。夕刻近くお
母さんや親戚の方々も集まりさらにトイレ掃除までして頂いた。翌日がらんとした
何もない会場で奥の整理をして2階でパソコンに向かう。下で声がして書肆吉成
の吉成秀夫さんが来る。先月来札した吉増剛造さんの話などする。独立して今後
本屋としてどうやっていくか今からがまた正念場と感じる。勢いでスタートはしたが
二の次三の次が本番である。吉成さんが帰って間もなく京都の橘内光則さんが来
る。聞けば2,3日前に帰省して村岸さんの1周忌にも出たと言う。最近の作品ファ
イルを見せてくれる。仕事をしながらも確実に作品が変化している。3年ほど前テン
ポラリーで個展をした時は亡くなった石田善彦さんが買いたいと言って作品を評価
していたのを思い出す。今年10月23日が亡くなって1年になる。村岸さんとは1回
だけの接点だったが石田さんは大いに村岸さんの才能を評価していたのだ。ひっ
そりと孤独死した彼の追悼展も準備をしていかなければならない。寂しいお葬式だ
った。橘内さんの訪問でふっと石田さんの事が思い出していた。山内慶さん田中
綾さんとも打ち合わせをしなければならないなあ。映画「もんしえん」を携えて沼田
さん、玉井夕海さん一行が苫小牧にフェリーで入りニ風谷に向かったと連絡ある。
ここでは19日にコンサートである。そういえば昨年この映画が出来上がった時沼
田さんがここを訪れたのは村岸展の最中で彼の遺されたファイルにひっそりと「も
んしえん」のフライヤーが挟まれていたのだ。ちょうど1年。その映画の音楽がここ
で出演者と共に披露される。天草の不知火の美しい海が対岸の水俣の現代と対
峙するように展開されるこの映画は「風の谷のナウシカ」の宮崎駿の影響が濃い。
主演の玉井夕海さんは声優として宮崎作品にも出演しているのだ。今回彼女の企
画主演した映画「もんしえん」の全国ツアーの出発を北海道のニ風谷に選んだの
もニ風谷が「風の谷ナウシカ」のモデルといわれている故であるという。村岸さん
の愛読書だったナウシカとの不思議な因縁がまだ続いているのだった。その玉井
夕海さんたちのPsalmの演奏の前日は及川恒平さんライブがある。及川さんの
復活第1作「みどりの蝉」は村岸さんお気に入りのCDだった。”及川さんいいすね
”とぼそっと呟いたのを思い出す。そして及川さんと「もんしえん」に出演している
沼田康弘さんとは芝居の仕事で古い知り合いなのでここでも関係が繋がっている
。お盆真っ只中。人が人を呼び生者、死者が交錯している。

*及川恒平ライブ「だきあえぬうお」-18日(土)午後6時~
 予約2500円当日3000円:糸田ともよ歌集「水の列車」を唄で読み解く及川恒
 平の新たな挑戦。北の透明なコアの再生。
*Psalmライブー19日(日)午後6時~入場料1000円:映画「もんしえん」のテ
  ーマ曲を主に二十五絃の中川果林と声の玉井夕海が共演する。
*佐々木恒雄展「crickers」-21日(火)-26日(日):網走出身の新鋭。骨太な
 構成力、繊細なデティール。村岸宏昭の記録展のポスターも彼の手による。
*石田尚志展ー28日(火)-9月9日(日):東京在住の映像作家。今一番走って
  いる作家のひとり。横浜美術館、横須賀美術館と今春から夏にかけ連続展。
  札幌では7月道立近代美術館でイメージフォーラム展で上映された。
*阿部守展ー9月11日(火)-23日(日):九州在住の鉄の造形作家。昨年に続く
  個展。今回は石狩河口の桟橋を素材に新たな展開を試みる。
*中嶋幸治展「Dam of wind for the return」-9月25日(火)-30日(日)
 :青森出身の若手、初の個展。故郷の山の白い土、岩を素材に札幌の風土を問
  う。津軽から見るさっぽろとは何か。

  テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8北大エルムトンネル
  斜め通り入り口。tel/fax011-737-5503
 

by kakiten | 2007-08-15 11:59 | Comments(0)


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