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テンポラリー通信

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2007年 04月 17日

木村環展始まるー春のにおい(54)

ふらりと初日絵を携えて作家が来て展覧会が始まる。現在別の場所で個展開催
中だがここでは順次作品を会場で創り増やしていく。3週間のいわばレジデンス
個展となる。タイトルは「LIFE GOES ON」。文字通りGO ONの進行形の個
展となる。私の方から半ば強引に拉致したような個展なのでこれはこれで止むを
得ない。本人は年末を念頭に意図していたようだが藤谷康晴さんのライブドロー
イングから始まりここ半年の間に作家魂に火が点いていて焔となっているのが私
には見て取れていたのだ。こういう時は一気に展開した方がいい。もう作品を創る
しかない、そんな時期なのだ。あまり間を置かない方がいい。年末は年末として今
が勝負である。木村環さんも今灯りが灯っている。燃えて揺らぐがいいのだ。その
灯が空間を創っていく。見えない熱気、音波が空間を満たす。その気配から始ま
る。音と灯りの空間造形が続いて新たな灯りを灯す。函が呼吸している。呼気吸
気。しかし個人的には体がぼろぼろに参っている。いろんなところでガタがきた。
同じ世代の次回個展予定の佐々木徹さんは腸閉塞で手術とお嬢さんからメール
が来た。5月の個展は無理かも知れない。以前から病気があり今回の個展はタ
イミングとしてはある意味ここではラストチャンスと思い定めていたので別の発病
はここに至って誠に残念である。1990年以来のテンポラリースペースでの個展
で優れて気配を顕在化する作家だけに今ここでの創造的な作家の流れにピッタ
リのタイミングだったのだ。なんとか病に打ち勝ち展示まで漕ぎつけて欲しいもの
だ。そう心より願う。昨日と比べ暖かい日となる。路面の雪もほとんど消え自転車
も快調に走る。冬の芯はまだ風の冷たさに残ってはいるがもう冬の果て終わりに
ある。しかしそういう季節の変わり目にこそ意地悪く冬が存する。体が正直にそれ
に応える。人体の70%以上を占める水分がすぐには暖かくならないのだ。海の温
度と同じである。お盆の頃が一番暖かい水温になる。海にも芯がある。風にも芯が
ある。体にも芯がある。辛い3月、4月を越えて佐々木徹さんの回復を祈る。

*木村環展「LIFE GOES ON」-4月17日(火)-5月6日(日)月曜休廊
 am11時ーpm7時於テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8
 北大斜め通りtel/fax011-737-5503

by kakiten | 2007-04-17 12:15 | Comments(0)


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