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テンポラリー通信

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2006年 11月 22日

玄樹ー冬のいのり(26)

荒ぶったり、和んだり、すっと流れたり、波のような風のような時間が訪ねて来る。
神が行きつ戻りつ。風神なんだろうな、きっと。
身を固くして黒い樹のように立っている。玄樹。緑色の頭はもう無い。
死者の手紙が足下に枯れ葉のように散乱している。
根に沁み入る前の時間。音を立てて、時に濡れて鮮やか。
雨も身を固くして白い色。でも包み込む柔らかな雪ではない。
風だけが行きつ戻りつ。空も青と灰色そして黒。空も行きつ戻りつ。
一本の樹のように立っている。玄樹。
独り言のように枝先が震えて呟く。ー神無月はもうとっくに過ぎたのにね。

風邪だろうか、こんな言葉しか浮ばない。意志が俯いている。開かない。そうね、熟
睡したい。玄関にいつのまにか石油のポリタンに石油が入って金井孝次さんが届
けてくれていた。前のスペースに全部置いてきてしまって何も無かった。
金井さん感謝です。こういう日はこういう日のままに。心も行きつ戻りつ。
ちよっと買い物に出たら「面(おもて)」四号が届いていた。堀雅彦さんの書き置き。
ー留守中お邪魔致しましたー
樋泉綾子さん「村岸宏昭という人について」いい文章。<彼は自分の事をよく話し
た。「僕は決めたんですよ」とか「僕はいいことを思いついたんですよ」とか、唐突
に話しはじめて延々と続く。>-そうでしたね。樋泉さん。
佐藤久美子さん「ピアニカと白樺」の絵を掲載。一度会ってみたかったとコメント。
死者も行きつ戻りつ。

          藤谷康晴「笑う殺風景」

      11月25日(土)AM11時-PM7時
      LIVE ドローイングonフロッタージュ
      1日ひたすら描き続ける作家のライブ
      です。何が出来るか本人も分かりません。
      ひたすら内部に溜まってくるものを描き続け
      ます。見る人はそのまま作品の立会い人と
      なります。お時間みて是非ご参加下さい。

      場=札幌市北区北16条西5丁目1-8
                 CON
           TEMPORARYSPACE       

by kakiten | 2006-11-22 13:08 | Comments(1)
Commented at 2006-11-23 14:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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