昨日プラス4度まで上がり、玄関前に吊られたガラス房
「野傍の泉池」に合体した氷柱が溶け始めていた。
今日明るく白い雪の朝となり、画廊に着くと氷柱の芯の
ガラスが剥き出しになっている。
大介さんが来て、吊ってあるガラス房のテングス糸の上部
の雪の塊りを増やし始める。
それは彼が自然の氷柱から学んだ知恵、軒下の氷柱の元に
屋根の上の雪が在る事を学んだ事による。
それまではガラスにばかり霧吹きで水を吹きかけていた
けど氷はなかなか定着しなかった。
時折吹雪模様となり、午前の明るい光が地上からの反射光
を生み、会場内全体が浮き上がるような白い光に包まれる。
入ってすぐにあった円盤状のガラスをもうひとつの壁際の
同じ円盤状の作品に合わせ移動する。
代わりに鳴るガラス房に和音を聞き澄ましたある北大生の
絶対音感が選んだガラス房を3本吊る。
これで縦に吊られた「野傍の泉池」の林立する光の林が
すっきりと顕れれた。
その光の林を人が逍遥すると、時に触れて音の林ともなる。
このランダムに吊られた「野傍の泉池」に音の和音を聞き
澄ました北大生は、なんと12年前夏死んだ村岸宏昭君と
同じ大学。同じ年齢だった。
吊られた白樺の幹にその樹の立っていた風・川の音を
幹を抱いて聞く構成だったムラギシの最後の作品展が
今こうしてガラスの林となって甦っている気持ちがする。
2006年7月夏・森の白樺、川の音・風の音。
2018年2月冬・透明なガラスの見えない泉の音。
そして12年前ムラギシと共に2階吹き抜けで歌を唄って
いたダイスケ&ムラギシ。
そして横で伴奏ギターを弾いていた酒井博史。
明日最終日打ち上げでは、きっとヒロシ&ダイスケの歌声
が響くだろう
きっとその場に見えないムラギシも参加するだろう、
不意にそんな予感がした。
高臣大介の毎年の展示。
その積み重ね、精進の時間が一巡りして、彼の作品に
生と死、光と影の結晶をもたらしている。
場の歴史という透明な結晶を。
*‘高臣大介ガラス展「紡ぎあう」ー2月12日(祝)まで。
am12時ーpm7時
*鈴木余位・村上仁美展「ふたたび 花傍らに」-2月27日ー
3月11日
*秋元さなえ展ー3月20日ー25日
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503