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2017年 11月 26日

稲穂・ケン・鼠ー最前列にして最後尾(35)

稲穂の〆飾り制作中ドイツから谷口顕一郎さんが来る。
明年の札幌での大きな仕事の打ち合わせという。
この時制作中の前日きちっと揃えた筈の稲穂が乱れていた。
よく見ると稲穂の実が綺麗に無くなっている。
ふっと閃いたのが。鼠じゃないか!という疑念だ。
早速鼠捕りを二種類購入し設置した。
この辺からもうケンちゃんの出番である。
進入経路を想定し、粘着シートと古典的な鼠捕り籠を設置
し中にフライドチキンの残りを仕掛けた。
侵入経路を予測し最適な場所を想定するケンちゃんの眼。
これはもう天性のものだ。
そんな時罠造りに夢中の彼は、椅子に置いた粘着シートの
上に腰を下ろし悲鳴をあげた。
罠に掛かったネズミ男・・!
ズボンを脱ぎ股引一枚だ。

そして翌日朝、見事に一匹の丸々した可愛い鼠が籠の中に。
さらに処分・埋葬と必殺仕事人の手際の良さは完璧だった。
お米に鼠・・・とは大黒様の袋のようで縁起が良いね・・
と話す。
試作段階の鼠騒動を終え、今年収穫の稲穂は見事な飾りに
生まれ変わり、

 はかり売り と はかるもの
 いろいろある ものさし   トロッコ

の会場に収められる。

今回稲穂の〆飾り制作を見ていて、稲穂というものが
如何に日本人にとって豊かな存在だったかを痛感した。
実は米粒として、米粒そのものはさらに麹、酒、糠に。
稲穂は蓑、茣蓙、畳に。
そして稲穂の茎は、縄に、〆飾りに。
衣食住すべてに関わって、俵、坪、畳という物や空間
の土台ともなっている。
あらためて今喪失しつつある日本人の原点を再認識した
気がする。
尺度も広さも、基底にはこの稲穂がある。
3・3平方m=一坪
その単位の元になる尺貫法は、米を測る単位だ。
お酒も1・8リットルではなく、一合・一升から。
稲の穂・茎の過程を忘れて設定された既存の量だけを結
果として流通するインフラに私たちは今慣れ過ぎて生き
ている。
プロセスの豊かさを、物資の豊かさと入れ替えて、物流
:消費の世界を生きている。
<はかり売り と はかるもの いろいろな ものさし>
稲穂もきっと嬉しそうに花咲くことだろう。

 テンポラリスペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503




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by kakiten | 2017-11-26 13:00 | Comments(0)


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