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2017年 09月 29日

ふるさとー最前列にして最後尾(9)

<兎追いし><小鮒釣りし><如何にいますちちはは>
そして<いつの日にか帰らん>ふるさと。
そんな故郷という心の原点が都会ではすでに喪失が
日常化してある。
消去は日々早まり、記憶すら追いつかない変化が
都市の速度だ。
山、川、海に囲まれた自然の残る地域に、原発事故の
見えない汚染が広がり、都会とはまた別の直の現実と
して、故郷喪失の今がある。
<山はあおきふるさと、水は清きふるさと>は、山は
<あおき>まま、水は<清き>まま、帰還困難地域に
なる。
原子力だけではないのだ。
安心・安全・便利の戦後基幹構造は石炭・石油の自然
埋蔵エネルギーをフルに使い都市化、近代化を急速に
薦めて来た。
自然とともにあった故郷の原点とは別次元の開発さ
れた衣食住の大量生産・大量消費の拠点造りである。
そして人の心に在った<ふるさと>は姿を変え、
スクラップ&ビルドの消去・新規の繰り返す、心の
難民風景が拡がってきた。
ちちはは、やまうみ、かのかわに象徴される継続性
ある見えない根のようなふるさと帰還構造は、都市
の消去・新規の基幹構造に浸食されつつある。
基幹施設(インフラ)優位は、精神(こころ)の基幹
構造(ふるさと)を何時からないがしろにし失墜して
きたのか。
東京メガロポリス構造を追いかける札幌で、国際芸術
祭をオリンピック、新幹線とセットのように位置付け
ながらも、幾つかの優れた作家と作品のこの地での
<根>の<ふるさと誕生>を目の当りにして、出生と
はまた違う、作品の故郷を掴む事が出来る可能性を
信じたくなったのだ。
耕土(カルチャー)という原義の文化力を持続し、
心の帰還・基幹構造を共に開墾しなければならない。

*菅沼緑展ー10月17日(火)ー29日(日)
*ホピ&カチーナドール展ー10月31日ー11月5日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

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by kakiten | 2017-09-29 14:05 | Comments(0)


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