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テンポラリー通信

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2017年 09月 20日

俊カフエー最前列にして最後尾(4)

過日夕刻谷川俊太郎の本を集めカフェにしている
俊カフエに行って来た。
この店を立ち上げた古川奈央さんは昔世話になった
古川善盛さんの次女の方である。
長女の糸央さんは人形作家で円山時代ギャラリー
で何度も展覧会を開いていた。
善盛さんは雑誌編集者であり、タコ部屋の当事者
の記録「実録 土工・玉吉 タコ部屋半生記」など
のドキュメント本、そして詩の村同人として詩集も
出版していた方である。
また私の高校時代の恩師薩川益明さんとも親しく、
薩川先生と再会したのも古川さんの詩集出版記念
の席であった。
そんな縁もあり何度かお会いした奈央さんのお店
に伺ったのだ。
初めて行く俊カフエは、なんと20代の頃年に一度
訪れた鶴岡学園栄養短大学長室のあった古い洋館で
はないか・・・!。
当時の学長鶴岡トシさんは、華道の師匠でもあり、
短大入学者全員に華道を必須科目として授業に採
り入れていた。
その関係で私の祖父の代からの家業花器・華道具
も教科書と同じ扱いで生徒用に華道具一式を入学式
時納入していたのである。
その報告に年に一度学長室へ挨拶に行っていたのだ。
その懐かしい鶴岡学園の建物のほぼ学長室の在った
処に、俊カフエがあった。
ギシギシ鳴る木の床、階段。
そして2階に谷川俊太郎関連の本が、詩集が沢山配置
された店が拡がる。
善盛さんのお葬式以来だろうか、奈央さんがエプロン
姿で立っていた。
お父さんの血だろうか、タウン誌の編集者から詩人谷
川俊太郎の本の店へ。
席に座り、色んな話を聞きながらそう思っていた。
吉本隆明が戦後詩人論の中で、プロフエッショナル
と呼べる詩人は3人いると挙げたのは田村隆一・谷川
俊太郎・吉増剛造だ。
田村隆一はすでに故人で、残りふたりの最前線基地
が、札幌に出来ている気がふっとした。
鶴岡先生ー古川善盛さんー奈央さんと札幌の歴史が
吉増ー谷川のふたりの詩人で、また繋がった気がする。
民間の古い古民家、民間の古い学園洋館で。
吉増剛造さんと谷川俊太郎の対談の載った雑誌もある
のですよ、と奈央さんが見せてくれた。
いつかそんな対談も企画したいね、と私は思っていた。

*「大野一雄の記憶ー公演ポスターを主に」ー9月24日まで。
 火・木・土・日ーam12時ーpm7時。
 水・金ーam12時ーpm4時。
 月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503


by kakiten | 2017-09-20 14:05 | Comments(0)


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