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2017年 09月 19日

三岸好太郎美術館とキムクシメムー最前列にして最後尾(3)

過日三岸好太郎美術館の大友良英展を見てきた。
実に率直で素直な良い展示だった。
大友良英の音楽への幼い頃からの道程が、時代と楽器
・レコード・ソノシート・本・写真とともに、そこで
呼吸するように展がっていた。
ひとつの人生の泉がこんこんと湧き続け、流れていた。
2階には三岸好太郎の作品が並び、今の札幌の前に在
った札幌風景が浮かんでいる。
大通り消防署の望楼塔。
北一条教会。
そしてシュールな晩年の蝶。
札幌薄野遊郭街で生まれたモダーンボーイ三岸好太郎
と福島生まれのミュージシアン大友良英。
このふたりが<飛んでいく>を共通の合い言葉に、上下
の階を飛翔している。
昭和前半と後半のふたつの近代が手を携えて舞っていた。
展示物の傍至る処に大友自身の書き込みが貼られている。
何度も会場を訪れ、その都度書いているのだろう。

ここには戦後近代と明治後の近代が、そのロマンの純粋さ、
前衛さにおいて共感し響きあって共演している。
札幌という都市ならではの出会い空間だった。

帰路美術館周りを台風近づく気配の中見詰める。
敷地に続く知事公館・道立近代美術館の豊かな緑と起伏。
窪地の小さな丘が雨に濡れ、水を溜めている。
この辺りがかってのキムクシメムの位置。
コトニ川源流の泉源のひとつだ。
キム(山側)・クシ(を通る)・メム(泉池)
今の植物園に湧いたピシ{浜側)クシ{通る)メム(泉)
偕楽園(清華亭)伊藤邸に湧いたヌプ(野)サム(傍の)
メム(泉池)。
この3つの大きな泉から流れ出た川は合流し、ひとつに
なりコトニ川となる。
偕楽園の泉池から湧いた川サクシコトニ川は北大構内を
流れ、吉増剛造展のある北大総合博物館辺りにも繋がっ
ている。
大友良英と吉増剛造の近代を問う主題の展示場は、この
川を生んだふたつの泉池凹み(コッネイー琴似)にあっ
たのだ。
20世紀初頭まで存在した自然風土としての近代札幌。
そこに花開いた文化としての三岸好太郎の札幌ロマン。
その流れを顕すかのように、大友良英ー吉増剛造の近代
の岸辺を窪みの水源は触れていた。

三岸好太郎自身が設計したという美術館の美しい濡れた緑
の空気の中で、そんな事を夢のように考えていた。

*「大野一雄の記憶ー公演ポスターを主に」ー9月24日まで。
 am12時ーpm7時(火・木・土・日)
 am12時ーpm4時(水・金)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
 Temporaryーphoto:temphotoーexblog.jp


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by kakiten | 2017-09-19 15:20 | Comments(0)


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