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テンポラリー通信

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2017年 09月 17日

伏籠(フシコ)・琴似(コッネ)ー最前列にして最後尾(2)

植物園ー伊藤邸ー偕楽園緑地跡ー清華亭ー北大キャン
パスを繋ぐ緑の運河エルムゾーンが、琴似川の琴似
(コッネ)の名発祥と深く関わっている事に気づく。
kotーne(コッネ)ー窪んでいる、窪み
アイヌ語表記の<窪み>の意味が<緑の運河エルム
ゾーン>に湧く三つの凹み地形のメム(泉)を源流
とする川たちの名に繋がっていたからだ。
豊かな伏流水の地サッポロ。
そしてかってはエルムの都と呼ばれた春楡の繁る森。
その地に海外からリラ、ポプラが根付き、本州からは
銀杏の木が根付いた。
豊かな水の地に近代の新しい木も馴染んだのだろう。
地形図に拠れば、FT・FH・FKの表記がある。
Fは扇状地の略、Tは豊平川(旧札幌川)Hは西の大河
発寒川、Kは琴似川。
この3本の川が札幌扇状地を生み、豊かな水を包んで
いたのだ。
近代とともに札幌川は古札幌川(フシコサッポロペツ)
伏古(籠)川となって古・籠る、伏した川となり、伏流
水が泉となって湧く窪み(コッネ)は、知事公館庭、
植物園・伊藤邸、偕楽園緑地跡・清華亭に僅かにその地形
を留めているだけとなった。
平坦で直線的な近代都市札幌の近代化の所以である。
ポプラやリラとエルム(春楡)や桂の木といった
もともとあった木もどちらも札幌を代表する樹木と
なって今にある。
人間社会はそうした自然共存を、戦争や自然破壊で
急速に狭く縮めてきた。
同じ近代の百余年。
一方の近代化は自己本位の拡大と破壊。
一方の近代は土地に根付き、魅了する木たち。
人間は近代化をもっともっと植物に学ばねばならぬ。

川は黙って籠り、伏し、泉は窪みに隠れ、姿を消した。
伏古(籠)川、琴似(窪み)川。
二つの川は、私たちに何を沈黙の内に語っているのか。

*「大野一雄の記憶ー公演ポスターを主に」-9月24日まで。
 am12時ーpm7時(火・木・土・日)
 am12時ーpm4時(水・金)
 月曜定休。
*菅沼緑展ー10月17日ー29日予定。
*ホピ・かチーナドール展ー10月31日ー11月5日。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
 Temporary-PHOTO(temphotoーexblog.jp)



by kakiten | 2017-09-17 14:37 | Comments(0)


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