札幌国際芸術祭吉増剛造展初日。
今回の凄腕助っ人キューレーター藪前知子さんから連絡
があり、午後2時過ぎ会場に行く。
日曜日大学キャンパスオープン日で、大勢の観光客が
構内を埋めている。
北大総合博物館1階に吉増展会場はあった。
早速鈴木余位さん編集の大画面石狩河口浜での吉増さん
「石狩シーツ」朗読画像に見入る。
1994年春から夏この浜から程近い山本旅館に滞在し
制作した名篇詩「石狩シーツ」。
その作品をほぼ四半世紀ぶりに朗読している。
深く長い伏流水のような心の歳月のビットウイーン。
柔らかな剛、とも言うべき詩人の今が画面一杯に溢れて
約1時間の映像が流れていた。
終わって思わず拍手をしたら、”ありがとう!”と背後か
ら声が届く。
余位さん、村上さん、竹本さんの映像力、音声・牟田口
さんの場と音への集中力。
そしてそれらの力は、吉増剛造の時代と詩に架ける強靱
な意思力と寄り添って生まれた。
火ノ刺繍ー「石狩シーツ」の先へ。
詩人の言葉が、さらにさらに裾野を広げて大きく蘇って
くる予感がする。
今芸術祭ゲストディレクター大友良英氏が来て、藪前さん
が紹介してくれる。
初対面だが、藪前さん、吉増さんから聞いていたのだろう、
お訪ね出来ず失礼、という調子ですっと話が通った。
吉増さんと3人で話す内、何故か大友さんの目が潤む。
泣きそうになったよ~と大友氏。
後で彼も福島県出身と聞き、なんとなく納得した気がする。
吉増剛造、その心の磁場恐るべし。
先日の浪江出身の原田洋二さんに続く、フクシマの涙だ。
*「大野一雄の記憶ー公演ポスターを中心に」ー8月8日ー27日
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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