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2017年 08月 06日

「大野一雄の記憶」展ー緑陰(10)

札幌国際芸術祭の吉増剛造展「火ノ刺繍ー{石狩シーツ}の先へ」
に合わせて、「大野一雄の記憶」展を展示した。
舞踏公演ポスターを主に大野関連の本・雑誌、そして吉増剛造の
「石狩シーツ」初出のユリイカ1994年十二月号、収録詩集「花
火の家の入口で」等を並べた。
大野先生のポスターはどれも大判の素晴らしいもので、その文字も
中川幸夫や郡司正勝の傑作である。
また写真・デザインも細江英公、田中一光の優れたものである。
特に大野一雄舞踏の原点ともいえるアルヘンチーナの笑顔が大きく
正面に載ったポスターは迫力がある。
吉増剛造の名作長編詩「石狩シーツ」を根の部分で支えた大野一雄
の舞踏、その生き方・生き様。
その片鱗がポスター一葉、一葉にも端的に顕れている。
今回展示して見て改めて新鮮に感じたのは、文字で関わった中川
幸夫と郡司正勝の書である。
「睡蓮」と揮毫した郡司正勝の洒脱で粋な筆痕。
「花鳥風月」と揮毫した中川幸夫の奔放な筆根。
その文字の見事な活き活きさ。
大野一雄舞踏の自在さ、美しさ、強靱さを充分に伝えている。
勿論「石狩の鼻曲がりー石狩河口公演記録集」{かりん舎刊)も
傍らに添えてある。
そして大野関連冊子とともに、吉増剛造の最新本「根源乃手」も
並べた。
さらに大野一雄ポスターと「石狩シーツ」初出本のコーナー周り
に「石狩河口/坐ル」のDM数葉と「石狩河口/坐ル ふたたび」
のDMを跳ぶように散らした。
日本の正当な近代を受け継ぐふたりの天才に捧げる展示となった
と、私は自負する。

札幌で、石狩で、JRタワーの聳え立つ旧停車場に、緑陰・水に
咲くー泉(メム)の記憶が燦めき、札幌軟石近代建築北大総合博物
館で「火ノ刺繍ー{石狩シーツ」の先へ」の吉増剛造展の初日の花
火が打ち上がり、この場を経由して新たな何かが脈動するような心
の莢めきを、今感じている。

*「大野一雄の記憶ー公演ポスターを中心に」ー8月8日(火)ー
 27日(日)am11時ーpm4時

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2017-08-06 13:18 | Comments(0)


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