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テンポラリー通信

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2017年 07月 30日

チQ作品完成ー緑陰(7)

「脈」展最終日前夜チQ君の未完作品が完成した。
沖縄移住を志した8年前ここで描いた作品、そして
今年40歳の誕生日に描いた作品、その左右旧作の
まん中に同サイズの無地板を置き、両側の作品のエ
ッセンスを吸収しながら描き続け、やっと昨夜完成
したのだ。
左右の旧作は描き潰され外されて、まん中の一点が
ひとり立ち顕れてきた。
背後のブルーシートが外された白い壁に縦1・8m、
横90cmの作品が浮き上がる。
さらに先日のライブドローイングで描かれた岡田綾子
さんのマスクが周りを跳ぶように配置された。
最終日前夜やっと会場全体が<×1>を得て凝縮して
きたようだ。
作品ゼロのまま5人展に臨んだチQ君のある意味怠慢
さと同時にそこまで自分を追い込んだ覚悟のような
今回の参加行動。
それが最終日前夜やっと実を結んだともいえる。
その我が儘が他の4人にもあって、我関せずのペース
でそれぞれの独白のように作品が並んでもいた。
今回の5人展提起者鼓代さんからは、チQ君のブルー
シートを早く撤去し左右の旧作もなんとかしろ、と厳し
く指摘する動きもあったようだ。
唯一岡田作品だけが、他の4人の間を跳び繋いで会場の
一体化を演じていた。
会場一階正面に未完の無地の板がブルーシートをバックに
並んでいる我が儘な風景はやっと解消され、会場全体が
5×1=5の五人展へと空間を浮上させたのである。
5人展「脈」は、やっと脈動を打ち出した。

この新たに誕生した作品はチQ君にとっても新たな制作
活動の礎ともなる事だろうと思う。
軸足を得た縦軸の画面構造と巻き上がる色彩。
合掌の、掌(たなごころ)にも通じる心と身の踵(かかと)
ともなって、酒井博史の篆刻「掌」、藤川弘毅の死の凝視、
岡田綾子、鼓代弥生両女性の飛翔する線刻、色彩、造形の
花の芯の位相にも位置したと思える。

互いにそっぽを向いていた作品達が、人をも含めてある一体
感の空間へと再生した。
作品とは不思議なモノである。
僅々一週間の間、会場時空体は大きくその質を変えた。

*5人展「脈」ー7月30日午後6時まで。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2017-07-30 13:07 | Comments(0)


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