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2017年 07月 22日

「石狩シーツ」の先へー緑陰(2)

北海道大学総合博物館吉増剛造展{火ノ刺繍ー「石狩
シーツ」の先へ}の展示準備が始まる。
それに先だって長編詩「石狩シーツ」誕生の石狩河口
で吉増さんが全編朗読を試みるという。
23年ぶりの新たな朗読。
「石狩シーツ」は再びどんな姿を見せるのだろうか。
地球の裏側で明治以降故国を深く抱きしめていた
ブラジル日系移民社会の人たち。
1992年その中で深い亀裂を感じた現代日本吉増
剛造の孤独。
そこから立ち直る為1994年初夏約半年石狩河口
に滞在し、この詩を書いたのだ。
ブラジルへ旅立つ前年秋見た大野一雄の石狩河口
公演「石狩の鼻曲がり」の舞台。
その記憶が傷心の吉増さんを招き寄せたと思う。
今回の「石狩シーツ」朗読は、鈴木余位さん撮影、
牟田口景さん録音で収録され、会場で流される筈だ。

そんな時石狩の主のような、吉増さんに大切な存在
中川潤さんとやっと連絡が取れる、
生粋の山男で北海道を代表する登山家のひとり。
そしてアイヌの自然観を実践する生き方を保ち、今は
石狩知津狩川口に住む男だ。
ちょうど週末は石狩に居るという。
昨年他界した英国の美術家ロジャーアックリングが
滞在制作した時も彼が寄り添ってくれた。
ロジャーは安心して彼に制作撮影を託してくれた。
ロジャーの死後英国で追悼本が編集出版されたが、その
中に私の文章とともに彼の撮影したロジャーの制作風景
も載せられている。
この本の編集者はこの写真に驚き、他の全てのロジャー
の写真を見たいと連絡が来た、
奥さんとふたりの海岸での制作風景は珍しいという。
作家に信頼される大きな包容力。
それは彼の生き方そのものが醸し出す包容力なのだろう。
吉増さんの詩にも何度か登場する稀有な存在である。

中川さんが来るというので、待っていると郵便屋さんが
色紙大の黒い吉増展のフライヤーを配達していった。
あれ、今頃なんで・・・?と思い見ると、吉増さんの
特徴ある文字が英字で躍っている。
うん?とさらによく見ると、なんとニューヨークの
ジョナス・メカス宛のものである。
住所不在で今頃フライヤー住所に戻ってきたのだ。
しかも不思議な事にこの日私は鈴木余位さんのニュー
ヨーク土産に戴いたメカスのTシャツを初めて着ていた
のだから・・・。
メカスと吉増さんの親交は深いものがある。
現在の「怪物君」草稿もニューヨークでメカスが購入
してくれたと聞いた。

「石狩シーツ」の先へ。
大野一雄、ジョナス・メカス、中川潤、石狩と大きく
宇宙の裾野が螺旋系の渦を巻き出したような気がする。

*5人展「脈」ー7月25日(火)ー30日(日)
 pm1時ーpm8時:鼓代弥生・チQ・岡田綾子・藤川弘毅・酒井博史

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
 
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by kakiten | 2017-07-22 13:46 | Comments(0)


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