2017年 03月 04日

包み・包まれる展ー湿地帯(15)

一冊の本が出来てゆく。
中嶋さんが一冊ずつ本の背を糸綴じしている。
その本に特集されているメタ佐藤さんの写真作品。
4っのシリーズ代表作が4点北壁に飾られ、正面
壁には本の内容がゲラ風に大きく2枚の紙に写さ
れ貼られている。
そこにふたりの折々のメモが寄せ書きのように
書かれている。
会場南側では中嶋さんが黙々と本の制作を進めて
いて、会場中央に製本された本が積まれている。
制作と同時進行の初日の風景だ。
本の出来映えが素晴らしい。
メタ佐藤さんの作品が包み直され、メタ佐藤さん
の作品が本を包み返している。
製本と中身は包み包まれる美しい関係にある。
製本された本も作品なら、本に抱かれた作品も
作品である。
こんな美しい関係がライブで会場がある。
そんな本との関係を経験する場が今まであっただろうか。
当事者のふたりがそこに居て、来た人は制作現場と
出来上がるものとを同時に立ち会うのだから。
2日間の短いこの時間は非常に濃い豊かな時空間と
なっている。

本という包むもの、作品という包まれるもの。
ここでは包み、包まれる関係が一体となってもう
ひとつの豊かな作品世界を生み出している。
餡と皮のような内・外の関係を、製本という作業を
通して改めて実感させてくれる希少な<行為>展と思う。

*中嶋幸治「分母第二号販売展・特集メタ佐藤ー包み直される風景
 と呼び水」ー3月4日(土)5日(日)am11時ーpm7時
*吉増剛造展「火ノ刺繍乃道(ルー)」ー4月初旬~予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2017-03-04 14:16 | Comments(0)


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