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2017年 02月 16日

透徹する掌ー湿地帯(4)

初日の夜高臣大介さんから先月訪れたフランスの話を聞いた。
ガラス作品の評価は相対的に低いという。
いわゆる工芸的な評価位置なのだろう。
現代美術、ファインアートとしては評価されていない。
その事に触れて高臣大介は、究極のガラス作品として
ガラスコップを考えているという。
何の変哲もないガラスのコップ。
そこに全てを籠める。
そして実際に一点作品が展示されている。
掌に収まるシンプルなガラスのコップ。
その掌の中に固有の個が息付いている。
究極の掌創り。
三浦正宏さんの民芸思想の精神に通じる。
人間の掌(てのひら)がひとりづつ固有であるように
その掌の(たなごころ)も固有なのだ。
コップひとつにその固有性を賭け顕在を志す。
究極の掌(たなごころ)コップだ。

高臣大介さんの話を聞きながら、掌の復権という人間
の原点のような今最もラデイカルなテーマを思っていた。
掌を離れて小手先・指先操作の機械増幅力で繁栄する社会。
掌(たなごころ)が抱擁する掌(てのひら)の宇宙。
その最もシンプルな造形形象のひとつコップを、究極の
ガラス作品として創りたい。
これは今ガラス作家高臣大介が到達したある透徹した志向
であると私は思う。
その究極の手・掌が、透明な一個のガラスコップとなって
顕在化するのは、永遠の挑戦となるかも知れない。
しかしその永遠性こそが究極の人類の掌(たなごころ)の
魂なのだ。

その想いで創られた透明なコップが一点、白い壁と白い棚
の上に置かれている。

掌が合わさって、合掌。
奏であう・・・・握手。
これも究極の掌だ・・・。

*高臣大介ガラス展「奏であう」ー2月19日(日)まで。
 am11時ーpm7時
*中嶋幸治展「分母第二号販売展・特集メタ佐藤ーその包み
 直される風景と呼び水」ー3月4日(土)5日(日)
*吉増剛造展「火ノ刺繍乃道(ルー)」ー4月予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2017-02-16 12:44 | Comments(0)


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