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2017年 02月 11日

料理と量利ー湿地帯(1)

たまに肉を買おうかなと思いスーパーの肉コーナー
に行くと、色んな表示があって迷う。
たまたま見たレシピの肉材料の表示が思い出せない。
切り落とし?細切れ?バラ?薄切り?・・・。
牛か豚か鳥の違いは覚えていたが、切り方はうっすら
としか覚えていない。
料理の種類によって素材の切り方も違う事を初めて
知った気がした。
料理されたものをただ食べていた時、あれ食いたい
あれ食うぞ、と出来上がった食物のイメージだけが
先行していた。
この日もたまたま見たレシピに触発され、今日は
牛丼作るぞと思ったのだ。
しかし出来上がったイメージと作る・料理するとは
隔たりがある。
ひとつひとつの素材を計る料(りょう)の理(ことわり)
が、出来上がったものには見えないのだ。
味や食感を考える過程が無く、完成した結果を量として
享受する。
料理と量利の違いである。

生活に溢れているプラステック製品と伝統的な民芸の
道具を見て思うのは、この料理と量利の違いである。
民芸には道具ひとつひとつへの目的と作る過程が掌の
ように形となっている。
プラステック製品は型で大量生産されるから、用途の
形は先行し定型化している。
これも料の理と量の利の違いだろう。
大量に溢れているプラステック製品はその利便性が
大量生産・大量消費・大量廃棄を生み現在の生活のある
一面を支えているのも事実なのだ。
戦後特に日本は民主主義の名の下、この量利・民主主義
的に今があるような気がする。
「手仕事の日本」と柳宗悦が書いた民芸のような<民主>
主義ではなく、量・利に偏った民主主義である。
その傾向は社会全般に及んで、道具だけでなく住居も街も
交通も量・利を目的化している。
そして人間自身もスマホ頭脳を抱え込むプラステック的
人間に<量利>されつつあるのかも知れない。

*高臣大介ガラス展「奏であう」ー2月14日(火)ー19日(日)
 am11時ーpm7時。
*中嶋幸治展「分母第二号販売展・特集メタ佐藤ー包み直される風景
 と呼び水」ー3月4日(土)5日(日)
*吉増剛造展「火ノ刺繍乃道(ルー)」ー4月予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2017-02-11 17:20 | Comments(0)


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