テンポラリー通信

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2017年 02月 02日

声の往来ー広い河口(19)

行く人来る人と交感の多い1月が過ぎた。
作品を携えドイツへ、フランスへ、そして手仕事展の総決算
のように秋田からと人の往来が続く。
太田ヒロさん、小林東さんの逝去という逝く人の知らせもあった。
「百年の予定」展という福井から帰省した森本めぐみさんの
乳飲み子を抱いた年を跨いだ展示もあった。
なにかみんなある境を超え、メッセージ(声)を発している。

人は境(さかい)を意識し界(さかい)を超える生き物だ。
時に、絶対的境(さかい)あの世からも、声が届く。
10年前23歳で死んだムラギシの声も聞こえる。
彼が最後の個展で展示した白樺の幹。
それは円山川源流の不動の滝傍に倒木としてあった樹だ。
そして個展終了後その白樺は中の川源流へ埋葬したと聞いた。
円山川はある地点で界川と合流し琴似川となる。
琴似川支流のサクシコトニ川は植物園、伊藤邸、清華亭の泉
を源流とする。
そこに、ヌプサムメム(野傍ノ泉池)を原点とする作品をライフ
ワークとする高臣大介が見え、琴似川暗渠の路上の亀裂をモチー
フとした谷口顕一郎の姿も見える。
私には3人が遠く冥界を超え、川を通して界(さかい)を接し
交流しているような気がするのだ。
そしてムラギシが自ら埋葬した展示後の白樺の樹の一部は、
中の川源流から発寒川を通して石狩河口、茨戸(パラト)へと
声が届いているかに思える。
そういえば太田ヒロの自宅は、琴似川の源流のある山中である。

川を通して合流する天地の有機的な声の往来が聞こえる。
パラト(広い河口)は、入口・出口。
人の往来は途絶えても、見えない声の入口・出口の往来が
今も聞こえる気がする。

*高臣大介ガラス展「奏であう」ー2月14日(火)ー19日(日)
 am11時ーpm7時。
*中嶋幸治展ー3月4日(土)・5日(日)「分母」冊子制作・販売。
*吉増剛造展「火ノ刺繍乃道(ルー)」ー4月予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2017-02-02 15:26 | Comments(0)


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