2017年 02月 01日

ハンブルグへー広い河口(18)

昨年末13年ぶりに里帰り、個展をした橘内光則さんが
ドイツ・ハンブルグで今月展示と聞く。
あの欧米日常風景に浮世絵の人物が舞う作品が彼の地で
どう評価されるのか、興味津々である。
彼の絵画の背景にあるワインやキャンドル、トーストに
目玉焼きが憧憬で獲得した日本近代の日常ではなく、本
当の長い継続の日常風景に置かれるのだ。
浮世絵の人物も今の日本にはいわば異国であり、日常化
している洋食風景も僅か百年にも満たない日常である。
当然ドイツでは日本での反響以上に浮世絵の人物に好奇心
と興味の中心が注がれる事だろう。
その時試されるのは、この絵を描いた橘内光則自身の内な
る日本であるに違いない。
西洋化近代百年の日本自身が、個として問われる。
日本に居ては曖昧に流されて強靱に意識しないものが、凝縮
して作品として問われるのだ。
その現実に橘内光則は耐えられるか。
今回のハンブルグ展は爪先立った分だけ本人自身への負荷
も大きく跳ね返って背負う事になるだろう。
しかし、そこから本当の出発地点と思う。

国際化とはホスト気分や異国情緒の緩やかなものだけではない。
相違という違和感の絶壁も在るのだ。
橘内光則はきっと難民のそれをどこかで感受する事だろう。
それが今、最も真摯な経験となる。
オリンピックや芸術祭のように、ホスト気分で浮き足立っては
駄目だ。
内・外の違いを受け止め、本当に深く自分が始まる。

*高臣大介ガラス展「奏であう」ー2月14日(火)ー19日(日)
 am11時ーpm7時。
*中嶋幸治作品展ー2月末術~
*吉増剛造展「火ノ刺繍乃道(ルー)」ー4月予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2017-02-01 14:46 | Comments(0)


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