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2017年 01月 22日

3人の掌(たなごころ)ー広い河口(13)

秋田で民芸専門の海青舎をもつ三浦正宏さんと出会った
のは恩師菱川善夫先生の紹介だった。
三浦さんは秋田から札幌の工業大学で橋梁工学専攻し
卒業後地元の建築会社で橋を架ける仕事をしていたが、
そこに自然破壊の要素を感じて職を辞し、元々好きだっ
た民芸のお店を立ち上げる。
そして第二の故郷である札幌で菱川先生に札幌での展示
のプランを相談したところ、私の所を紹介してくれた。
そんな経緯で三浦さんは毎年当時円山北町に在った私の
ギャラリーで毎年テーマを決めた種々の民芸・手仕事展
を催した。
今も印象に残る展示には、祈りを主題とした展示である。
全国各地から豊穣を祈願した様々な民具が展示された。
その素朴で美しい祈りの形象は人間の合掌する素直で
素朴な結晶の燦めきのようで忘れられない。
さらに民芸番外編として企画された秋田の地酒全種類
展、駄菓子展も楽しかった。
毎年恒例で続いたこの展示は、現代美術とはまたひと味
違った手の仕事の醍醐味を純粋に伝えて、人の心を豊か
にしてくれた。
そんな三浦さんの展示が私が円山北町を去る事で疎遠と
なっていたこの10年。
来月北海道立文学館で柳宗悦「手仕事の日本と民芸の思想」
展が開かれその特別講座講師として三浦さんが来札する。
この10年三浦さんはひとりで小冊子「秋田手仕事たより」
を70冊以上も出版し続けていた。
そうした仕事に同じ東北津軽出身のロシア文学者工藤正広
氏が深く共鳴し今回の文学館の企画となったようだ。
工藤氏と三浦さんとは、円山の手仕事展で知り合い交流を
深めていた。
旧友である工藤正広、民芸研究一筋の三浦正宏、そして
三浦さんを紹介してくれた故菱川善夫先生、この3人の
縁が重なって柳宋悦の「手仕事の日本と民芸の思想」展
で3人の再会がある。
さらにここ現在地で知遇を得た若き津軽人中嶋幸治君も
加わって来た。

3人の掌(たなごころ)の再会、楽しみだ・・・。

*高臣大介ガラス展「奏であう」ー2月近日予定
*中嶋幸治作品展ー2月予定
*吉増剛造展「火ノ刺繍乃道(ルー)」ー3月末~4月予定

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2017-01-22 16:01 | Comments(0)


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