青空が広がっても風は冷たい。
まだ夏の下着のままでいたが、ゾクゾクっと寒気がした。
くしゃみが出て、咳き込む。
灯油を入れなきゃとストーブを見ていた。
ふっと橘内さん搬入時来てくれたY君を思い出す。
写真家の彼の目線と橘内さんの人物への目線のどこか
共通する暖かさを感じていたからだ。
そうだ、展示後の橘内展に誘ってみよう、と電話する。
その前にメールで橘内展示前の開梱に素敵な笑顔の橘内
さんが撮られたスマホの写真が送られてきていたのだ。
Y君も風邪気味らしく、翌日の地方出張を前に自宅で
ゆっくり静養したいらしく、こちらに出るのは億劫らしい。
自分も風邪気味と話し、灯油の事も話すと、じゃあ行くか、
と車で来てくれる事になった。
展示された橘内作品に大いに共感し、写真との相違も語る
Y君は本当に橘内作品が気に入ったようだった。
そして石油スタンドへ。
ポリタンに石油を入れ支払いをして走り出した車中で急に
吐き気がして3回ほど嘔吐する。
一部ドアーを開け車外に出したがほとんど上着からズボン
に吐く。
昼間食べたジャーマンポテト・パンが胃に凭れたのだろうか、
風邪の所為か、石油の臭いと車の移動の所為か・・。
車中を汚し、スタンドの床面も汚したが、Y君がスタンドの
路面を清掃してくれた。
私はまた動くと吐きそうだったので、車内と上着をテイシュ
とハンケチで拭うのが精一杯だった。
戻って感謝とお詫びをY君に伝えると、いやあ~どうせ汚い
車ですから、気にしないで・・と言う。
身体の内外の寒気中、友情の暖を感じた。
寒中暖あり。
これも橘内光則作品の暖かさの波及かも知れない・・。
*橘内光則展「土曜の夜の夢」ー10月30日(日)まで。
am11時ーpm7時:月曜定休。
*ホピ&カチーナドール展ー11月1日ー6日
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503