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テンポラリー通信

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2016年 05月 01日

最終日ー鉄橋(20)

朝から人が詰めかけている。
今日午後2時からのイベント。
舞踏と太鼓ふたりのライブ。
初日前夜は午後7時からだったが、最終日は昼に。
そして午後5時過ぎから搬出作業だ。
人が集まってもう音が出始める。
中に楽器を持参したミュージシアンもいて、早速コラボが
始まる。
乗ってきて本番さながらの熱演だ。
肩に力入れず自然な流れ。
天気も良く光が流れて、音も人も風もきらきら舞っている。
打ち上げライブは今から盛り上がる予感。

木板に絵の具で絵を描きさらに絵のライン、細部に彫刻刀
で彫りを入れて仕上げる独特の立体平面作品。
大きな長方形、4点組の正方形の大作、四角い小品等
鮮やかな色彩の作品が並ぶ。
光の増減で作品の色彩が彫りの陰影で微妙に変化する。
股に挟み叩く太鼓への撃刻とこの絵画の彫りこみのパワー
は同じ質のものだ。
だから音は色を発し、絵は音を発する。
鼓代さんの身体の増幅がそうした音となり絵となって、
空間を充たしている。
だから通常の異ジャンルとのコラボといったよそよそしさ
は感じられないのだ。
音という五感の中で一番体に直接性を保つ音波の響き。
それが聴き手にも、耳以外体全体に響くのだ。
2階回廊でひとりが太鼓を叩き、もうひとりが階下で応答する。
聴き手は下に多いから、音だけを2階の床を通して伝わる
音波の風圧と共に体で感受する。
宮沢賢治のセロ弾きゴーシュのセロの中の世界だ。
客からは演奏者が見えないけれど、音を通して逆に臨場感
が生まれる。
耳と身体全体に響きの風圧のような空気が伝わる。
会場全体が音の函となるだろう。

目を上げれば彫りのある絵画、他の五感に触れる心地よい音圧。
そうした全身性体験すべてが、鼓代弥生の描く世界。
人も場所も絵も音楽も、空気も光も函の中に充ちて溢れる。
そうした試みを経験して個展「駅」が今日終わる・・・。

*鼓代弥生木彫平面作品展「駅」ー5月1日午後5時まで。
*及川恒平・山田航ライブー5月7日午後5時~2500円

 テンポラリースペース札幌市帰宅北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
 

by kakiten | 2016-05-01 12:49 | Comments(0)


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