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テンポラリー通信

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2015年 08月 21日

暑の戻りー窓(25)

そう簡単には夏は去らない。
寒の戻りならぬ暑さの戻りである。

そんな日沖縄の弦楽器を弾き謡う東京の川戸郷史君が来た。
いつも一緒の東欧人君も一緒だ。
今夕ライブがあるという。
ここへの訪問は今年初めの吉増剛造展以来だ。
いつも思いがけずふっと現れる。
あまり時空を感じさせない座敷童子のような人たちだ。
暑さが戻りその気温とともに現れたのだろうか。
9月の沖縄石田尚志展にも行くと言う。
その他東京吉増情報とかも教えてくれる。
信州で舞踏の大野慶人と吉増さんのコラボの話も聞く。
石狩の香がテーマという。
大野一雄亡き後大野先生を追悼する世界中の人たちからの
招きで多忙だった慶人さんの久し振りの石狩を主題とする
出番である。
心動くものがあった。
これも見に行って動画外情報を送ります、と川戸君が言う。
私は慶人さんと亡くなった歌舞伎学の権威郡司正勝先生の
話をする。
郡司先生が慶人さんの為に遺した戯曲。
それを踊る予定の打ち合わせの時郡司先生が死去し、急遽
参拝に札幌へ来た慶人さんくを先生自宅まで案内した事がある。
その帰路前の円山の店舗近く、北一条通りの洋館鬼窪邸前を
通り、ふっとこの辺りを主題に白秋の「この道」の歌ができたと
話すと慶人さんは吃驚していたのだ。
その後彼の最初の舞踏でバックに使われた曲だった事、そして
郡司先生の遺作を最初に公演した時も結局「この道」が使われ
た事が判る。
この郡司先生の遺作は未だ札幌では公演されていない。
札幌ススキノ生まれの先生の為にも、百余歳で亡くなった大野
一雄さんの為にも、そして勿論大野慶人さんの為にも札幌で
この遺作を上演実現したいと思っていた。
北原白秋の「この道」に因む場所も考えていた。
大野一雄が札幌と深く魂を交流させた野外公演「石狩の鼻曲がり」
の石狩河口から遡るように鮭がかって産卵した源流域である。
そんな場所を、かって鮭の養殖場もあったという泉湧く泉池に建つ
明治の洋館清華亭辺りと思っているのだ。
川戸君の訪問でその情報から今まで封印していた気持ちが再燃
してくるのを感じる。
暑の戻りは季節だけではないようだ。

*村上仁美・高臣大介展「Water Fallー花とガラス」ー9月1日(火)ー
 6日(日)am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2015-08-21 14:48 | Comments(0)


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