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テンポラリー通信

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2015年 07月 30日

英国からー窓(14)

英国から2通のメールが来る。
一通はエマさんという方からで、英国で出版予定のロジャ
ーアックリングの追悼本の日本での記録、そこに収録予定
の石狩・望来滞在制作を語った私のメイボン尚子さんのイ
ンタヴュー文を読んでのものだった。
もう一通はそのメイボン尚子さんからでエマさんについて
書かれていた。
13年前ロジャーが滞在制作した作品と滞在の様子は一冊の
記録集として印刷し出版された。
多くはロジャー本人に送ったから、エマさんはその記録集を
同時に読んで感動したのだろう。
滅多に撮影を許さないという製作時の写真。
ご夫婦ふたりでの海岸で流木を探す姿。
石狩・望来の独特の自然と空気が生んだありのままのロジャー
の姿である。
教え子でもあるエマさんには堪らない姿だったと思われる。
そんなロジャー夫妻の石狩での写真を他にも使わして欲しい
というのが主旨のようだった。
早速このきっかけとなったスコットランドに居るメイボン尚子
さんにエマさんの文を添付して相談する。
英語力に自信のない自分である。

当然作品が主体となる追悼本となるだろうから、極東の北の島、
断崖がそそり立つ小さな海岸で、夫婦で流木を拾い、レンズに
集光した太陽の光熱で焼き彫刻しているロジャーのありのまま
を捉えた写真と記録は異彩を放って見られるかもしれない。
束の間のロジャーアックリングと私達の友情が、13年の時を
経て、今また輝きを増そうとしている。
彼が製作しこの地に残そうとした作品群は今何処にあるのだろう。
13年前の無念さが、また蘇ってくる感がある。
作家の本籍と作品の本籍は同一ではない。
作品は作品の本籍を持つ。
その作品の記憶が、再びロジャーアックリングをこの地に
呼び寄せているじゃないのか・・・。。

*瀬川葉子展「FILE」-8月2日(日)まで。
 am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2015-07-30 16:39 | Comments(0)


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