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テンポラリー通信

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2015年 04月 11日

場という事ー斜道(4)

石田尚志さんの展示を考えながら、場所の事を思う。
横浜、沖縄、ともに美術館での展示である。
じやあ、札幌でも美術館かというとそう簡単でもない。
映像作家で北海道と直接縁ある訳ではない。
年齢からしても巨匠の域でもない。
札幌は<道立>近代美術館であって、現代美術の最先端
を主にしている訳ではない。
気になるのは創館何十周年での記念誌巻頭に書かれた<日本
の最北に位置し云々>という位置付けが気になる。
北海道を日本列島全体から見渡す東京目線なのだ。
釧路でも帯広で函館でもない石狩国札幌は、日本の最北端と
いう一言で他の都市と同様括られて欲しくはないのだ。
釧路と函館が同じではないのと同様、個々の地域の国が違う。
大体道立と名乗っているのは、札幌にある美術館だけである。
釧路も旭川も函館も帯広もその美術館の在る地名を名乗って
いる。
道庁があり道都という上から目線が札幌を石狩を消している。
北海道で札幌ゾ-ンだけが人口的に肥大化し全道人口の半分
近くを占めている。
いわば北海道の東京的都市が札幌なのである。
そこで公的な場所は札幌を消して、北海道を頭に付与する。
道立が付いて、札幌という一地方は消去されるのである。
そういう所で中央を反射させた石田尚志展はやりたくはない。
もっと地域に根差したここでしか出来得ない展示でなければ
意味が無いのだ。
広い空間で展示を羅列すれば良いという物ではない。
石田さんの創作のエネルギーとなり、沖縄ーヨコハマを結ぶ
なにかが生まれるような場でなければならない。
そう考えると多くの美術館という名の建物はあるが、どれも
私にはこれだ、という思いにさせてくれるものはないのだ。
石狩国札幌だぞ!という気概を保ったここ固有の公の場が
薄いのだ。
多くの立派な建物はあるが、どこか視線は足元ではなく、大
向を見ている。
それでは私の意図する石田尚志を迎える場ではないのだ。
一館で無理なら、複数の場を巻き込みゾーンとして石田の
映像とパフォーマンスを連続させる。
そんな事も考える。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2015-04-11 14:39 | Comments(0)


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