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テンポラリー通信

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2015年 02月 11日

冷え込んでー道行き(25)

暖気が一転強烈な寒波で凍りつく。
ツルツル路面に足元が危ない。
ドイツへ一旦帰国する谷口さんと一杯飲む積りが、この寒気で
待っている内に具合が悪くなる。
次回の滞在を待って今回は諦める連絡をした。
残念だがビールを飲む気持ちになれない。
新聞原稿校正のパソコン操作に手間取り悪戦苦闘・・疲れる。
字数制限があるので、削除や書き換えの操作が分からない。
アナログ人間には原稿用紙が相応しい。
プリンターも故障しているのでお手上げである。
そんな苛々した時間と寒さですっかり気持ちも体力も落ち込む。

ドイツに着いて1年後に書かれた長文の彩さんのシベリア旅行記
を片手にふたりの心の糸で繋がった札幌ーベルリンを思う。
凹みと呼ぶ路上や壁の亀裂を素材として彫刻作品を創り続ける谷
口さんの、もうひとつの姿は、この彩さんとの旅に象徴される継続
と共生の連続する糸の姿だ。
この事をしっかりと稚内ーサハリンーシベリアの1ヵ月のふたりの
旅の記録を通して伝えねばならない。
それは札幌という北の地に住む我々の本当は一番近い北周りの回
路でもあるからだ。
東京を経由し南周りの飛行機の道は早くて快適かもしれないが、
それ故切り捨てられ断絶する回路が本当の亀裂・凹みなのである。
土地とそこに住む人と自然との関わりを具に体験しつつドイツへ。
その大切な経験を抜きに今日の凹み彫刻は無い。
亀裂と継続の対極の視座が作品という磁場を生んでいるのだと、
私は思う。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2015-02-11 14:16 | Comments(0)


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