テンポラリー通信

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2015年 01月 09日

新年のGOZOCINEー道行き(5)

「水機ヲル日、・・・」最終週に展示最後のDVDが届く。
570葉を超える原稿に絵筆を刻む吉増さんだ。
色彩がまた一段と鮮やか。
そして続くモノローグの朗誦にこの展示への深い想いが続く。
連呼されるヒトミさん、フミさん。
さらに私の名と展示構成のマサさん・フライヤー制作に従事
した文太君、中嶋君の名が上がる。
これはもうラブコールだなあ。
今回の展示がどれほど心に沁みたのか。
そんな印象を抱かせる新年のヴィデオレターでもある。
私やヒトミさんは少し持ち上げられ過ぎで、穴があったら
隠れたいくらいだ。
札幌のシテーボーイ、鉄の志、アランドロンと、あら~ん
どろん、と消えたい位だ。
こうした軽い冷やかしが冗談のように口から出る時は、吉増
さんの上機嫌の証である。
そして今回の展示企画に関わった村上姉妹への信頼と思慕は
展示草稿の主体とも通底してより深いものがある。
吉増さんの女性崇拝の片鱗を見ている気がする。
主役はこの女性二人の美人姉妹になるのだろう。
モノローグも画面の色彩もどこか色っぽく艶がある。
吉本隆明の「日時計詩篇」に秘められた亡き姉への思慕再発見
の影響もあるのだろうが、同時に吉本のシジフォスの無言の行為
とも重なって、シジフォスの束の間の休息そして人生の初めと
晩年の異性への思慕が吉増自身の内からも泉のように湧き出ている。
2年半以上かけて筆写した吉本隆明の「日時計詩篇」の草稿の面
に絵筆を刻み描くカメラ越しのGOZOCINEはもう通常の
原稿用紙の枠を超え描くパフォーマンスと独白の朗唱のその時の
映像記録として見る者の心に刻まれるものである。
これも吉増さんの日々の神話となって残るるものと思う。

ちょうど来たヒトミさんにも見せたが、恥ずかしがって誰にも
見せたくないわと呟いていた。
前々回送られてきたGOZOCINEの中で披露されていた
新しい詩句の言葉。

 無言の口の瞳に倣え

瞳はヒトミではないのか。
だから、無言で良いのだよ、と思った。

*吉増剛造展「水機ヲル日、・・・」-1月11日(日)まで。
 am11時ーpm7時。
*高臣大介ガラス展「とめどなく」ー1月20日(火)-25日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2015-01-09 13:31 | Comments(0)


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