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テンポラリー通信

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2014年 09月 06日

窓という眸ー境界・長月(3)

時計台の岡崎文吉展を企画した環境局Y課長と山田航氏と
打ち合わせをする。
来週岡崎文吉の映像とミニトークを市役所ロビー喫茶室で
する為だ。
Y課長はこの岡崎文吉の映像を撮った番組デレクターと同期
だった偶然もあり、今回の岡崎展の中心にいる方である。
キャリアウーマンとして実に真摯な方である。
上映会の段取りを打ち合わせて、それぞれの岡崎への思いを
語り合った。
私はY課長の今回の時計台2階ホールでの岡崎文吉展の感想
を率直に伝えた。
展示もさる事ながら2階の窓の美しさを話した。
窓が眸のようで、軒下という睫毛も屋根という眉毛も瞬くよ
うにある。
瞬きをしないビルの窓とは違う。
あの窓は建物の眸だと話した。
するとあの窓ガラスも一部昔のままの手づくりガラスが残され
ていると言う。
それが光をさらに柔らかく情感あるものにしているに違いない。
そう思った。

写真家のメタ佐藤氏から電話がある。
翌日待ち合わせて話を聞く。
新しい作品を見せてくれ、急だけど展示がしたいという。
自宅近くの丘陵を歩き撮り溜めた光のプリズムが煌めく作品だ。
今まで見た白黒の構造的に重厚な作風とは違う作品である。
しかもカラーで丘陵の森の木立に射し込む光のプリズムが主題
である。
単純なようで単純ではない光という透明な物質を色彩の彩として
見事に捉えている。
タイトルは文字通り「光景」という。

時計台の窓の光を思い出していた。
あの窓の眸の縁だなあ。
光が写真となって、彩となって訪ねて来てくれた。
岡崎文吉の川という透明な水のドラマに続いて光という透明な色彩
が訪ねて来たのだ。
そしてその前に中嶋幸治さんの「風とは」が展示される。
風という透明な空気に続き光という透明な彩が主題である。
岡崎文吉への思いが、水・空気・光と連鎖して繋がったのかも
知れない。
ふっとそんな気がしている。

*中嶋幸治展「風とは」-9月23日(火)-10月5日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休。
*メタ佐藤写真展「光景」-10月7日ー19日
*秋元さなえ展ー10月28日ー11月9日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
 

by kakiten | 2014-09-06 14:53 | Comments(0)


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