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2014年 07月 22日

通路の時間ー水位・文月(11)

遅延していた電気料金を支払いに北海道電力本社まで
朝支払いに行く。
ばっさりと電気を消されては敵わないので、開廊前に
いつもより早く家を出た。
支払いを終え、長い地下通路を歩くと途中に500m
美術館の展示が並んでいる。
まだ時間が早いので遮断された展示も多い中、入り口
近くのガラスケースの仕切りのある展示物では作品を
見る事ができた。
出口側はガラスの間仕切りが無いので、布のような物
で遮断しているようだ。
深夜の通行人の悪戯から守る為と思われる。
ガラスの間仕切りのある場所の展示物に谷口顕一郎さん
の琴似川凹み作品が原寸大と折り畳んだ状態で展示され
ていた。その隣に近い場所に中嶋幸治さんの故郷をテーマ
とする作品も並んでいた。
贔屓目かもしれないがこのふたりの作品が断トツである。
そう感じながらも、足は自然と前へ進んで作品を通過して
通路を進んでいた。
開廊前で時間も気になっていた事もあるが、この長い地下
通路では落ち着いて作品と語り合うような気持ちにもなれ
ないのだ。
棒状に真っ直ぐ前・後ろしかない直線の殺風景な通路壁に
アートが並んで、作品という垂直な時が壁に嵌め込まれて
いる。
そこで立ち止まり、時に添い寝までして寛ぐ時が訪れる訳
も無い。
壁から正面に一面的に視座は固定されているから、本来この
場所は宣伝媒体の並ぶ壁空間に過ぎない訳で、美術作品とい
う垂直軸の佇む天地の時間には合致しないものと思われる。
壁の奥行きが均等であり、作品はいつも正面を向いている。
見る方も正面が基本で歩きつつ若干斜めから眺めて、前へと
移動する。
風景の見えない本来は暗闇の地下空間であるから、照明と
直線の通路の無言の圧迫感が支配している。
作品世界が齎す垂直な時間とは異質の横軸の支配する移動
の為の空間であるからだ。

そこに移動から深化する移住・移民の文化の土壌は無い。


*谷口顕一郎展ー7月27日(日)まで。am11時ーpm7時
*斉藤周展「日々の行状」-8月1日(金)-10日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2014-07-22 12:10 | Comments(1)
Commented at 2014-07-23 12:51 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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