テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2014年 07月 15日

川俣正来るー水系・文月(7)

故郷三笠での滞在を終えフランスへ帰る川俣正さんが、
先日の返礼でもないだろうが、ここに寄ってくれる。
ちょうど今週末から展示の谷口顕一郎さんの作品が2点
置かれていたので彼の資料とともに紹介した。
同じヨーロッパで活躍している共通項もあったのだろうが
すぐ作品に川俣さんは反応して、芳名録にサインし感想を
書いていた。
こういう作家がいたんだと呟いて、個展のリーフレットを
多めに持っていくと言う。
谷口さんはこの日札幌国際芸術祭の展示で留守だったが、
後でこの話を聞いてとても感激し喜んでいた。
奥の談話室で1時間ほど話し込み、川俣さんは空港へと
向かった。

今回の私の三笠プロジェクト訪問と川俣さんのテンポラリー
訪問を通して、何かが新たに動き出している予感がある。
30年の歳月を経て深化し変わらぬもの、そして新たな地平
を予感させる確かな伏流水のような流れである。
それがどういう形となって顕れるかはまだ見えないけれど、
それぞれの故郷というものへのより本質的で普遍的な部分で
ともに同じ方向を見つめる仕事が出来るかもしれないという
予感がするのである。
第二のテトラハウスプロジェクトでもなく、第二の三笠プロ
ジェクトでもない何かである。
しかし本質的にはこのふたつのプロジェクトの底流を包含し
たラデイカルな視座である。

人と人の出会いとは不思議なものだ。
時を経てより深まり、より濃くなる。
会った回数ではなく、それぞれが生きてきた時間の深み・深処
で泉のように湧いて出会うのだ。
古からの山の斜面の護岸・参道の石段と、近代治水工法の川の
蛇行を基本とした岡崎文吉のコンクリートマットレスの護岸・
単衝ブロックが、護岸という構造において対自然において共通
するように、山間部の三笠と扇状地の札幌は故里という構造体
において共有する時代への視座を同じ方向として見据えている
のだ。

ふたつの場所の相互訪問にはそんな深い底流が流れている。
そんな気がしている。

*谷口顕一郎展ー7月19日(土)-27日(日)am11時
ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2014-07-15 12:55 | Comments(0)


<< 展示中ー水系・文月(8)      三笠・川俣展へ行くー水系・文月(6) >>