テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2014年 07月 02日

忘れられた石段ー水系・文月(1)

体調悪く伏せていたが、7月末まで滞在予定の谷口顕一郎
・彩子夫妻を案内して伏見稲荷の忘れられた石段に行く。

本来の山裾から幅10m程のU字形に湾曲した堂々たる
石段が中腹の朱の鳥居へと繋げている。
その鳥居と石段の間をかって冬季札幌オリンピック開催時
に大倉山ジャンプ場と真駒内アイススケート会場を結ぶ環
状線が造られ、石段と鳥居は分断され、この石段は今や忘れ
られたように濃い森の翳に沈んでいるのである。
谷口さんが石狩河口に残る岡崎文吉の自然工法の治水跡に
作品素材を見出し、界川ー琴似川水系の暗渠路面に今回受賞
の作品があった事から、今回の源流域に近い山の斜面に遺され
た石段の凹みに作品が繋がればひとつの流れが生まれると感じ
ていたのだ。
案内して現場に着きすぐ気に入った亀裂を発見してふたりの声
があがる。

新緑の濃い緑の被さる石段の左には深い森が幽かな水音を
立てている。
茂った山の斜面から微かな湧き水が流れ出している。
山の斜面に沿って護岸するかのように、石段を組み鳥居を
建て祠を造った。
これも山という自然の地形に逆らわず自然の脅威を宥める
自然工法ともいえる先人の知恵であるだろう。
明治の先達岡崎文吉の川の蛇行を基本とする自然工法の護岸
遺跡と見捨てられた源流域の石段とを結んで、琴似川水系が
ひとつの流れとして再生出来れば良いとこの時確信したのだ。

札幌生まれの顕と彩さんの新たな札幌マップがきっと生まれ
る事だろう。
先ずは今月の個展が楽しみである。

*谷口顕一郎展ー7月19日(土)ー27日(日)am11時ー
 pm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2014-07-02 15:29 | Comments(0)


<< 繋ぐものー水系・文月(2)      境界への敬意ー星霜・水無月(12) >>