草花が新たに入って会場は奥三角山の麓の八木宅の
風景を漂わす。
Mさんの挿花である。
その活け込み中、今年教育大を卒業したS君がギター
を背負って顔を出す。
そしてMさんの活け込みの熱気に刺激されたのか、
2階への梯子の上でギターをかき鳴らしブルースを
歌いだした。
その内美術家のS氏、Hさん、美術館のF氏、書家
のIさん等がばらばらと来て彼の歌声とMさんの花
を囲んで八木さんの世界はまた一つ広がって揺れた。
色んな人が集まってその中でふたりの絵画作品を見て
いると見え方が違って見える。
透明な人のいない昼の光で見ると、伸子さんの色彩は
美しく際立つ。、
一方照明だけの中で昨夜多くの人と見た保次さんの色
彩は迫力が感じられた。
保次さんはいつも夜に絵を描いていたし、伸子さんの
時間は昼である。
そういえば保次さんのダンディは夜のタウン系で、伸子
さんの品位は昼のシテイ系でもある。
その制作の環境の相違が作品の見る時間にも影響して
いるのを昨日発見した気がした。
彩(いろ)は光である。光は色彩だ。
そう言っていた保次さんの言葉をふっと思い出していた。
草花と人に囲まれて、八木保次・伸子追悼展後半は
あのふたりの最期の地宮の森の山中の光と色を彷彿
とさせる空気の中でスタートした。
Mさん、素敵な挿花ありがとう。
Sくん、素敵な歌声と演奏ありがとう。
*八木保次・伸子追悼展ー5月11日(日)まで。
am11時ーpm7時:月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503