テンポラリー通信

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2013年 12月 06日

公の場にー神窓・師走(5)

「札幌緑の運河エルムゾーンを守る会」の伊藤邸高層ビル化
反対の陳情に、市議会で意見陳述質疑応答がある。
この運動もいよいよ現実的で公的な課題となって動いてきた。
経済を基本とする生々しい現実と、自然や埋蔵文化の歴史的
遺産や近代という理念的なものが同時に渦巻いて政治という
現実の世界に曝されてきた。
初心を忘れず、肥大化する現実に何かを見失わないように
凝縮しなければならない。

洞爺のガラス作家高臣大介さんから連絡がある。
道立近代美術館で作品「あふれでる」が明日展示されるという。
そこでアーテイストトークが企画され、是非来て欲しいという
事である。
今年2月にここで制作展示された百一本のガラス作品が、公的
な美術館という晴れの舞台でお披露目される。
その事の嬉しさがこの招待の誘いに感じられた。
「あふれでる」という大作作品は、エルムゾーンをテーマに
昨年清華亭とテンポラリーに展示された作品の流れから生ま
れた作品である。
エルムゾーンの泉池の記憶を主題に「あふれでる」は制作され、
高臣大介10回目の個展を集大成させた記念碑的作品となった。

こうしてこの緑の運河エルムゾーンからふたつの公的な動きが
顕在化してきている。
政治経済を含めた極めて現実的な連動と、ガラスの大作「あふれでる」
に象徴される美術作品の連動である。
どらもが公的な場で公になり衆目に晒される。
最初は個的な想いから発した理念的なものが凝縮し、こうして
形となり現実のものとして動き出す。
来週土曜日から始まる吉増剛造展もまた然りである。
この展示の中心に鎮座する増殖中の440葉の大草稿もまた、この
エルムゾーンを歩いた2年前から始まったものなのだ。
その他にもこのエルムゾーンから巣立った川の蛇行を基本とする自然
工法を提唱した明治の治水学者岡崎文吉の再発見もあるのである。
入り口に声が響き帰国したばかりの谷口顕一郎さん夫妻が顔を出す。
時を超えジャンルを超えて、豊穣な濃い時が重なってくる。

札幌のエッジで感性の刃先を磨き、肥大化する様々な現実に負けず
これからも闘う姿勢を貫いていかねばならないと、改めて思う。

*吉増剛造展「怪物君」-12月14日(土)-1月5日(日)
 am11時ーpm7時;月曜・元旦休廊。
+佐々木恒雄展ー1月14日ー19日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2013-12-06 13:11 | Comments(0)


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