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テンポラリー通信

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2013年 11月 15日

440葉の大草稿ー風曼陀羅・霜月(9)

多摩美大の石田尚志・鈴木余位両氏の撮影を終えて
吉増剛造さんの大草稿の塊りが届く。
1年前の倍近い量となっての帰還である。
ただただ今は茫然として見守るのみ。

1994年の吉増さんの長編詩「石狩シーツ」は、約半年の
石狩河口滞在から夕張に遡行し<女坑夫さん>のリフレーン
で終わっている。
そこから17年の歳月を経て、「石狩河口/座ル ふたたび」
展を起点として新たに書き進められている草稿が、まるで流星
のように炎を増しながら各地を回り、この場所へ戻って来た。
この未完のオリジナル草稿の大束を今回は何人かの友人たちと
とともに恣意的に択び、それぞれの罫線で窓を開け括る試みを
行う。
草稿の順番には関係なく、それぞれが2,3葉の草稿を選択し
それをもとに吉増さんがコピーし再構成して展示するのである。
選ばれた草稿は小惑星のように、新たな宇宙を創る。
440葉に膨れ上がった大草稿は、ここでひとつの系・罫線と
なり小宇宙を再構成してゆく。
石田尚志さん、鈴木余位さんの映像による小惑星、文月悠光さ
んの小惑星、山田航さんの小惑星等がテンポラリーの会場を
新たな銀河系へと変えてゆく事だろう。
これからあと1ヵ月弱、1989年の「アートイヴェント界川遊行」
に始まる深い伏流水のような時間がまたひとつ結晶してゆく。

吉増さん、いよいよ始まりますね。
新たな神窓の時間が・・・。

*吉田切羽写真展「on the road」-11月19日(火)-
 12月1日(日)
*吉増剛造展「ノート君~神窓へ」-12月10日ー1月5日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2013-11-15 13:09 | Comments(0)


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