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テンポラリー通信

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2013年 01月 12日

寒気鋭くーイシカル・1月(6)

昨日は今冬一番の寒気が襲う。
朝、寒さの所為かすっと起きれない。
愚図愚図してなんとか地下鉄に乗り、出勤。
自転車通勤を止めてはや一ヵ月。
地下鉄は苦手である。
人の密度は高いのだが、関係性はすべて矢印、←・→。
自転車は人の密度は薄いのだが、世界は豊かに流れている。

画廊に着いて間もなく、余位さんの同僚多摩美大の白井晴幸氏
という方が訪ねて来る。
昨年末の新宿・ピットインでの白熱した吉増さん、余位さんのライブ
に協力してくれた方という。
わざわざ一泊で東京から展示を見に来てくれたのだ。
この後石狩河口へも赴く予定という。
そこへ美術家の瀬川葉子さんが来る。
彼女は結婚後子育てを一段落して、最近再び美術活動を再開した
作家である。
吉増さんのミクロとマクロの宇宙のような草稿大束を目にして、自分
の日々の作品活動と重なるものを感じたのか、なにか判るわ~と声
をあげる。
そして最近創ったという作品を車から持って来た。
日々の日常の不要物を透明なビニール袋に収めた不思議なゴミ類で
ある。
吉増さんの草稿の中にある糸や紙の貼り付けの日常性に同じような
親近感を感じたという。
主婦業と仕事の日常の中で生まれた細かな不要なものをコラージュする
ように作品にしているその行為が、吉増さんの草稿に潜む濃密な日常に
深く感応して反応したのだ。
瀬川葉子さんの新たな作品に私も共感しながら、ふっと昨年5月の映像
作家大木裕之さんのゴミ屋敷状態の個展会場も思い出していた。
四国・高知から電車でここまで来て、すぐに会場に敷き詰めたのは旅の
道中で運んできたゴミの数々である。
不要とも思えるそれらの物たちを滞在する環境の中に散乱させ、敷き詰め
る事から大木さんの会場造りは始った。
その写真を瀬川さんに見せると、思わず顔がほころびる。
そこへやはり美術家の田村陽子さんが昼食にワインとブルーチーズにフラ
ンスパンを持って来る。
そこでみんなで美味しいチーズにワインとパンを食べたが、これが美味しく
て昼からのワインは酔いが周る。
後から寒さと酔いが、交互に来て疲労がどっと出た。

吉増剛造展もあと二日。
体調を整えねばならない。

*吉増剛造展「ノート君~’古石狩河口から書きはじめて」
 :吉増剛造(詩草稿)・吉原洋一(写真)・鈴木余位(8mm映像)
 1月13日(日)まで。am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2013-01-12 12:14 | Comments(0)


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