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テンポラリー通信

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2012年 12月 25日

氷結・凍(しばれ)るー星雲・12月(23)

定休日明け出勤すると今冬初めて水道管凍結。
トイレも石油ストーブの上のやかんの水も凍っている。
マイナス10度の氷点下の所為である。
外で待っていたKさんを中に入れるも、暖かい珈琲を淹れる
わけにもいかない。
ストーブを点けて暖をとり、やっとしばらくして水が出る。

2階に上がると吉増さんからのfaxが届いている。
<ノート君の友>鈴木余位氏を新宿ピットインライブにお誘い
の連絡である。
ほぼこのところ毎日のFAX連絡だ。
この前に来信したfaxには、鹿角もえぎさんという方の文章のコピー
が添えられていた。青山ブックセンターで吉増さんの草稿大束を見た
時の一文である。

 記憶と意識の層がおりかさなって沈殿してゆき、層の一部分がある瞬間
 ふっと光に曝されて、その光のあたる場所から言葉の破片が泉のように
 溢れ湧き出る。・・・・層がおりかさなって沈殿してゆくーなんてことに思い
 を巡らせてしまったのは、それ自体で光を発しているかのような精緻な
 言葉の層を不意に目撃してしまったからなのかも知れない。・・・

見事に草稿の大束を表現した文章と思う。
この草稿の大束を隕石のように感じていた私には、正しく<それ自体で光を
発しているかのような精緻な言葉の層>の<目撃>という表現に深く共感
して感じていたのだ。

こう書いていると、一個の宅配便が届く。
石田尚志さんからの4層の写真で、大きな厚手の紙にドローイングとともに
先日の吉増さんを囲む会の写真が貼り付けられている。
私、余位さん、河田さんのそれで、渦巻くようなドローイングがその周りに
描かれている。
隕石が顔を持ったみたいに、顔が飛んでいる・
余位さんは明るい明星のようで、私は暗い隕石だなあ。
河田さんは流星王子のようで、本を翳した吉増さんは冥王星という感じ。
石田さんのドローイングはさながら銀河である。
二つ折り厳禁の大きな50cm程の横長な作品は、4層になっていて
今回のフライヤーの文字がコラージュされて入っている。
石田さんのここへ来た時の昂揚感が伝わってくるような素晴らしい
作品なのだ。

今回の展示は今も波及しつつ続いている。
新宿で吉増さんと余位さんの共演が叶えられるならば、そちらにも
此処の波動は伝播してゆく事だろう。

*吉増剛造展「ノート君~’古石狩河口から書きはじめて」
 :吉増剛造(詩草稿)・吉原洋一(写真)・鈴木余位(8mm映像)
12月11日(火)-1月13日(日)am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
 
 

by kakiten | 2012-12-25 14:17 | Comments(0)


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