さらに気温が上がって33度の予報。
地表に近い路面やビル街ではもっと暑いに違いない。
昨日の気象予報士の話では、30度を超えた気温をさらに地上に
近い所で再計測したら40度を超えていたという。
子供やペットの背の高さに換算すれば、発表された温度以上に気を
つけて考慮しなければならないと伝えていた。
文字通りのホットスポットが部分的に集中して、都会にはある。
アスファルトとコンクリートのビル群に囲まれた場所と、木が繁り風の
通る場所と同じように気温を見る事は出来ないからだ。
路面をアスファルトで固め、コンクリートの壁で仕切った空間に熱気は
逃げ場も無く篭もって澱む。
そこを電気エネルギーで冷やし、そのエネルギーがまたさらに放出される。
都会の路地裏と屋上の排気扇である。
この悪循環がさらに都市の気温を上昇させる。
要塞のように電気エネルギーで防備された都市のビル群。
これはまるで原発と同じ構造ではないか。
安全快適の城砦を自然に対峙して要塞のようにその中で供給し享受する。
砂漠や過酷な大陸の中にある遠い国の真似をして、自然に対峙する構造の
都市は本来の日本の家屋とは異質なものの筈だ。
借景とか坪庭とか簾とか打ち水とか、自然の保つ力と対峙するのではなく、
拮抗しながら自然の包容力を活かしていく。
そんな知恵がいつのまにか、孫悟空の如意棒や金斗雲のように己の力を
増幅させる道具の力に奢って、自然というお釈迦さまの掌の上でしかない
事を忘れてしまっている。
猛暑も大津波も大地震もきっとその内大噴火も起きて、この国の都市要塞
はその安全神話を崩壊させる事はもう目に見えて予想される気がする。
産業・経済・政治がこの都市要塞の側からの発想を起点に成立する時、文化・
芸術はその対極に地歩を築いていかねばならない。
それは要塞などという対峙の視点ではなく、共生を基点とした、もっと柔軟で
謙虚な<打ち水>のような行為の思想である。
*今村しずか「この世界に」CD発売記念ライブー7月29日(日)午後7時~
共演有山睦(ds)古館賢治(g)。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-6503