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テンポラリー通信

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2006年 04月 13日

歩き初め歩き深めるー燃える街角(5)

路面に靴が吸い付く。路面に平行に歩ける。ほとんどの路がそうなった。ほんの
何週間か前までの斜めの路上が消えた。前後ろの車の気配と足元と、間断なく気
を配り歩いていた。そんな風にして幾つもの街角を巡った。貧しい街角、郷愁の街
角、強圧的な街角、薄くフラットな街角、車とビルだけの街角。歩くを基本にした時
街は表情を変える。そして靴が鳴る道がある。歩き初めて歩き深まる道がある。そ
の道には発見がある。出口ではなく入り口がある。街角もひとつの入り口であった
。自分の情況を反映する時もある。着飾った街角、自己主張の強い街角、ただ俯
いて歩く。朝小松菜炒めトースト昼坂ビスケット夜おにぎりなんて日は特にそう。ひ
ねくれた街角、こちらもさらに落ち込む。表通りの虚飾が皺寄せのように澱んでい
る。貧の時心もより貧になる。直角の路を離れ斜めに伸びる道、カーブする道、歩
きを誘うような心開く道、樹が無言で語っているような道、そんな道には人の顔があ
り遠くにいる友の昨日の電話のような時間と距離がある。”やあ”と逢える一点があ
る。この<やあ!>はre。ルネッサンス、revolutionのre。だから歩き初めて、
歩き深まる道。人にも街角がある。いい街角で人に逢いたい。作品もまた抽象の
街角。いい歌も声の街角。美味しい物も舌の街角(勿論お酒も)。触れる街角。
俺のさっぽろ。歩き深める街角。

今朝事務所に出ると及川恒平の声が流れていた。熊谷さんが今日も聞いている
一枚のCDを聞き深めている人がいる。その影響なのかな今日のブログ。

by kakiten | 2006-04-13 12:02 | Comments(0)


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