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テンポラリー通信

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2012年 04月 03日

寒の戻りー光陰・4月(2)

寒気が戻って来た。
風冷たく、雪が舞う。

2009年に開催された目黒美術館「’文化’資源としての<炭鉱>」展
開催中に行なわれた連続講座「夜の美術館大学」講義録が送られて
きた。300頁余にぎっしりと細かい活字と写真が載っている。
全14講座に補講2講座、論考、番外。
本番の展覧会も凄いものだったが、この纏めもまた凄いものである。
「・・・<炭鉱>」展と同時に企画され残念ながら流産となった「原爆を視る
1945-1970」展についても最後に言及されているが、フクシマの原発
事故以前にこうした優れて先見性のある企画が立てられていた事につい
てもあらためて深い尊敬の念を覚えるものである。
キューレーターである正木基氏の渾身の仕事である。
吉増剛造さんの昨年末の「石狩河口/坐ル ふたたび」展についても
番外篇でさり気なく触れていて、現在から今後に繋がる視座も保たれて
いる。
この講義録は展覧会のカタログテキストと併せて、貴重な資料として
将来もさらに輝きを放つに違いない。

齋藤玄輔展終る。
植物の生命の青い煌きを、星空のように浮かび上がらせた2週間だった。
会期中に敬愛する八木保次氏の逝去もあり、私には忘れがたい2週間
だった。
私にとって札幌という土地・風土への入口ともいうべき八木保次さんとの
思い出が深く交錯して、この冥界の青のような齋藤玄輔さんの世界があ
った気がする。
冬の年の終わり、3、4月が過ぎてゆく。

 鉄橋のようにわたしは生きるのだ辛い三月四月をこえて (福島泰樹)

*追悼・八木保次・伸子展ー4月中旬予定

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503 

by kakiten | 2012-04-03 13:09 | Comments(0)


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