大勢の人が溢れ、初日の夜は賑やかだった。
歌が流れ合唱が続く。
後からもどんどん人が来て、酒が周る。
最後に遅れて来た3人組が誰のか知らぬがバースデイーケーキを
持参し、照明を消して蝋燭を灯す。
期せずしてハッピーバースデーの合唱が起こる。
そんな時に事故が起こる。
撮影をしようとカメラを構えた誰かが、後ずさりして背後のガラスと鉄の
作品をひっくり返した。
今回の象徴的な作品ふたりの合作作品のガラスが壊されてしまった。
奥にいた私はこの事故を知らなかった。
知っていたのは近くにいた少数の人である。
知ったのは二次会の居酒屋ゆかりに後で行き、後から来た酒井さんの
報告を聞いてからである。
それからすぐみんなで阿部さんも含めて会場に取って返し、現状を確認
した。
翌日朝早く福岡へ帰る阿部さんは、作品を処理し別の作品を台に置いた。
高臣さんは泥酔してすでに宿屋に帰っていたので、翌日さらなる処置を
お願いする事にする。
最後の最後に網走流氷・洞爺の制作と多くの収獲を得て快調に過ごして
きた阿部さんには、残念な出来事が起きた。
今朝高臣さんが来て、ボンドで作品を修復する。
同じ物にはならないが、何とか形にはなる。
作品を見に来るというよりも、宴会を楽しみに来る輩も中にはいる。
悪意はないにせよ、ふたりの作品展のコンセプトに関係ない宴会的
仲間意識で群れるのは困ったものである。
良い意味でも悪い意味でも、作家の普段の在り様がこうした時に
表れるものである。
この事故を除けば、酒井さんの唄とK氏と高臣さんの合唱Sくんの笛の
伴奏と今回の展示に関わった人たちには楽しい初日だった。
*阿部守(鉄)×高臣大介(ガラス)「野傍の泉池(ヌプサムメム)」展
2月14日(火)-19日(日)am11時ーpm7時。
*同上清華亭外庭展ー2月13日(月)-26日(日)am9時ーpm4時。
テンポラリスペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503