体調が回復して、久し振りに作家が来る。
今日明日の土日会場に常駐予定。
昨日と違い今日は曇天、雨模様。
昨日遅くミュージシアンの有山睦さんが来る。
Mの高校時代の美術の先生だよと、齋藤周さんの事を教える。
Mの遺作曲「撓む指は羽根」を今は定番にして演奏している有山さんは、
ゆっくりと作品世界を逍遥していた。
こちらも風邪で体調を崩していたという。
”落ち着いてゆったりできるなあ”と感想を漏らす。
そういえば、先日山田航さんが来ている時齋藤さんのK高校時代の教え子
が来ていて、と話す。
その人はMとK高校同期だった。そして詩人文月悠光のフアンの今田智子
さんのお姉さんで、とその繋がりの偶然に吃驚した話をした。
文月悠光さんは斎藤さんの今のA高校の教え子である。
その文月さんの関係で今田智子さんを知っていたが、その人のお姉さんが
Mと同級生だったのだ。
早速有山さんたちの演奏したMの「撓む指は羽根」を今田さんのお姉さんに
聞かせたら、突如一緒に聞いていた山田さんが、言い出した。
僕はこの演奏を聞いてから、Mの事を深く感じるようになったのです。
最初遺稿集を読んだ時は、まだそんなに身近な存在として感じていなかった。
この演奏を聞いた時からですと、どこか決然とした口調で言い放ったのだ。
その話を有山さんにすると、顔がいっぺんに崩れて笑顔となった。
”嬉しいなあ、・・・”
ふたりとも生前のMに会ったことは無い。
その遺作曲を同期だった今田さんのお姉さんと、死後音楽を通して繋がっている
山田さんとが同じ場所で、有山さんが最初にフイーチヤーしたMの曲を聞いてる。
不思議な時間でしたよ、と有山さんに話した。
齋藤周展は作品を通して人と人が繋がり、同時に教え子がまた人を繋げていた。
久し振りに来た齋藤周さんに、そんな居ない間の出来事を話した。
作品とは、こうした見えない回路で人と人を結ぶ。
その透明な磁場を会場が生んでいる。
*「これから下りていこう/齋藤周」展ー6月11日(土)-26日(日)
am11時ーpm7時:月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503