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テンポラリー通信

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2011年 06月 15日

赤い封筒・お握りー夏日幻想(6)

朝、真っ赤な角封筒が届く。
うん?と思う。
差出人を見ると、東京の石田尚志さんからだ。
中には東京都現代美術館の案内が入っている。
特集展示/石田尚志とある。
近年の代表作が展示されるという。
それにしても赤い角封筒とは、インパクトがあるなあ。
中の招待券とフライヤーを見ていると、電話が鳴る。
Mさんからで、今車でFMを聞いていたら、写真家のFさんの誕生日メッセージ
が流れていたと言う。
一緒にいつか石狩河口を歩いた時を思い出したという。
そんな話をしていたら、のそりと人が来た。
縄文生活実践者とでもいうべき中川潤さんだった。
久し振りである。
石狩で自耕自給生活をしている。
もう蜻蛉が飛んだという。
今年は寒さが早い。収獲も早いかも知れない。
そんな話をした。
札幌の姉の所へ寄った途中という。
昼食は?と聞くと、お握りがある。姉が作ってくれたという。
一個あげると言って、大きなお握りが出て来た。
遠慮なく戴く事にした。
食べながら、高臣大介さんのおばあちゃんのお握りを思い出した。
梅干と海苔のごく普通の、しかしとても懐かしい感じのする握りだった。
まだ暖かく、美味かった。
最近姉は母親みたいになって・・と話す。
自耕自給の生活でも、このお握りにはやはり家族の味がするのだろう。
なにか大切な物を横から貰ったような気がした。
スーパーやコンビニのお握りとは、何故こうも味が違うのか。
握る掌に家族の温もりが、沁み込んでいる。
相手を思って握る掌の微妙な圧力の差なのだろうか。
珍しく一個のお握りだけで、中川さんと寛いで話が進んだ。
ふっ、あれはお握りではなく、固形のお酒だったのかも知れない。

*「これから下りていこう/斎藤周」展ー6月11日(土)-26日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503 

by kakiten | 2011-06-15 13:53 | Comments(0)


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