テンポラリー通信

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2011年 06月 12日

初日の風景ー夏日幻想(4)

午後大久保さんが2歳のお子さんを連れて見えるまで、空は曇っていた。
その後陽光が射し、会場は光に満たされる。
今年1月来た時は、野上裕之さんの「鳥」の作品に手を伸ばし戯れていた
碧ちゃんは、もうヨチヨチ歩きできるまでに成長している。
作品の中に子供がいると、一気に作品世界がディテールを持つ。
作品を背景に幼児の動きが空間に溶け込むように感じられる。
作品世界と相対して向き合うのではなく、無邪気な幼児の動きが作品世界と
こちら側の世界を同調させるからだ。
2階に上る梯子の最初の一段をやっと登れるようになり、しばしそこから
周りを見ている。
幼児にとってはとても大きな一歩である。
世界が広がる不思議。
その様子が今回の齋藤周さんの作品世界と馴染み、点景として違和感がない。
絵画の中の小さな駆ける人物と響き合っているかのようだった。
2,3時間も遊んでいただろうか。
小さな手を振ってバイ、バイと帰って夕刻、宴会の準備をする。
常連の山田航さん、久し振りの森本めぐみさんが揃ってビールを飲む。
齋藤さんは前夜徹夜の展示制作の疲れがあるのか、眠そうである。
やがて奥さんも来て、さらにほっとしたのか、もうダウン寸前。
場所を奥の談話室から、展示会場に移動し、床にごろりとする。
正面のS百号の後姿の人物が、奥さんにそっくりと気付く。
その話をすると、そう?と、いなされた。
DM裏に使われた緑の固まりは、この作品の人物の頭部であるという。
その図柄決定は、奥さんの提案という。
この日着ていた服も、作品の中の人物と同じような服だった。
夫唱婦随が、齋藤家では逆であるようだ。

肝心の主役が疲れ気味なのだ、早々に初日の宴会は終える。
帰り支度をしていると、背の高い青年がふらりと来た。
瀬戸くんである。
岩見沢から出て来たという。
何かやっぱり気になって、と言う。
一昨日の展示作業中にも一度来ていたので、気になったのだろう。
もっと人が多勢かと思った、と言う彼に残りの飲み物食べ物を全部
平らげてもらった。
特別初日オープニングも謳わなかったので、あまり多勢の濃い宴会と
ならず、徹夜明けの齋藤さんには無理のない初日の夜となった。
今日も朝青い顔をして来たが、無理せず夕方まで休むといって帰る。
その後これから帯広に帰るという大久保さん母子が再び見える。
今度は旦那さんも一緒で、こちらもじっくり作品を見てくれる。
碧ちゃんはすぐに梯子に取り付き、今日はもう2段目に上がる。
目の高さが上がって、周りの大人の目線に近付く。
その事が新鮮なのか、声を出して喜んでいた。
私とも大分仲良くなったなあ。

*「これから下りていこう/齋藤周」展ー6月11日(土)-26日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休・休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax-11-737-5503
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by kakiten | 2011-06-12 13:14 | Comments(2)
Commented by 大久保彩織 at 2011-06-12 22:01 x
我が子の成長の一ページが周さんの展示とともに記録されて
嬉しいです。
梯子2段は驚きました。
ちなみに我が子はこの4月に1歳になったばかり。
2歳になったらきっと梯子の上まで登れることでしょう。笑

初日の光に満たされたあたたかいテンポラリーの時間は
あまりに心地よく、つい長居してしまいました。
玄関から入って正面に大きな絵、
世界がまっすぐに絵の中まで続いている感覚。
そして光に包まれていく感じ。
なんとも言えない心地よさでした。
帰る前にどうしても夫にも見せたくて立ち寄りました。
周さんにもよろしくお伝えください。

碧さんの無邪気な笑い声と
キラキラして楽しそうな中森さんの優しい眼差しが
とても嬉しかったです。

また伺います。
今度は何か言葉を交わせるかしら。
Commented by テンポラリー at 2011-06-14 12:15 x
大久保彩織さま>そうかあ~、1歳でしたか!
女の子の年齢は分からないものですね。
一日で梯子一段の成長ですから、今度会うときは
どうなっているのでしょう!
部屋中駆け回っているのかも知れませんね。
来て頂き感謝です。


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