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テンポラリー通信

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2011年 05月 22日

そして翌日ー燃える春楡(17)

初日宴会の翌朝、開廊とほとんど同時に高臣大介さんが来る。
昼の自然光の中で作品をじっくり見たいからと言う。
宴会の夜には、人もいてゆっくりと作品と向き合えなかったからだ。
程なく同じ昨夜の宴会にいた旭川彫刻美術館のTさんも来る。
それぞれ札幌に一泊し、朝再び会場に来たのだ。
午前、正午、午後の光が射し込む中、ふたりはゆっくりと作品に触れたり、
撮影したり、メモをとったりと作品との対話に余念がない。
阿部守さんは、この日道北音威子府に出かけて留守だったが、こうして
作家は居なくとも作品との真摯な対話は日を跨いで続いた。
余程作品に魅了されたのか、高臣さんが午後洞爺へ帰った後もTさんは
残り熱心に作品を見続けていた。
夕方美術家の森本めぐみさんがお花を持って、阿部さんとの昨年来の
再会に訪れる。
彼女の作品は昨年阿部さんの目に触れ、今年阿部さんに紹介された九州
福岡の画廊で個展の予定である。
高臣大介さんと阿部さんは来年2月、ここでガラスと鉄のふたり展を予定
している。
作品だけではなく、こうした人と人の繋がりが、新たな展開を生んでいる。
Tさんは森本さんとほとんど初対面のようだったが、森本さんの作品は
知っていて、すぐに話が打ち解けて話し込んでいた。
結局閉廊時間まで話は続いた。
その後ふたりを誘って居酒屋ゆかりへ向かい、昨夜の続きを解消する。
結局二日続いた初日という事かも知れない。
飲み歌う宴会だけではなく、翌日酒井博史さんも再度見え、もう一度
きちっと作品と向き合ってくれたのが嬉しかった。
作家の人間性もそうだがそれだけには止まらず、そうした魅力ある作品である。
九州福岡の芸術村の村長に納まる事なく、単身毎年作品を引っさげて勝負を
賭けてくる阿部守さんの心に、受け手である札幌もきちっと受けなければならぬ。
その意味で札幌に一泊して、作家と共に初日を迎え、かつ翌日作品と向き合って
くれた人がいた事が嬉しく、お酒は進んで気持ち良く酔ったのである。

*鉄・インスタレーシヨン 阿部守展ー5月20日(金)-6月5日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休。
*斎藤周展「これから下りていこう」-6月11日(土)-26日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2011-05-22 13:06 | Comments(0)


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